575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

首里城炎とともに秋の星  幸泉

2019年12月14日 | Weblog

首里城。しゅりじょう、
沖縄県那覇市首里金城町にあり、那覇港を見下ろす丘にあったグスク。
作者は、この3月に訪れ、本土とは違う琉球王国の美しい建物に感動。

しかしニュースで炎上を知って驚き、悲しくなりました。
燃えている映像を見て、それが星になったように感じて詠んだそうです。
素晴らしい発想です。

首里城。沖縄ではスイグスクというそうです。(遅足)

 秋天に星 首里城炎上 
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凍て蟲や 末期の歩み 羽震え <殿>

2019年12月14日 | Weblog



本来の俳句は縦書きの手書きによる墨書です。
従って、三段の縦書きや句間を適宜空けることが可能。
ところが、明治期に活版印刷が導入された際に俳句は横書きとなります。
活版印刷は鉛文字を組む凸版。
文字間を自由に空けることができません。
そのため、活版印刷の職人は組版の面倒を避けるため句間を無視。
しかし、現在は全てがオフセット印刷。
文字間など数ミリ単位で調整できます。
また、文字も手書きではなくパソコンやスマホ入力へと移行しました。

私はグラフィックデザイナーです。
デザイナーが大切にすることは文字の判読性。
文字は読みやすく、内容を読み手に的確に伝えることを最優先します。
たしかに、書籍など紐とけば句間はありません。
しかし、これは死滅した活版の時代に生まれた印刷上の慣習です。
これは和歌や短歌など古文を教える友人も同意見。

下記の拙句。句間の空きなしと句間の半角空けを表記。
どちらが詠みやすいでしょうか。

凍て蟲や末期の歩み羽震え
凍て蟲や 末期の歩み 羽震え

俳句の文字表記が変遷するのは時代の流れと考えます。<殿>


コメント (1)
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