575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

卯の花

2020年05月10日 | Weblog


関東でおからは「卯の花」ウツギの白い花が
由来のようです。また、ウツギの花は白ウサ
ギが由来といわれています。

「声もなく 兎動きぬ 花卯木」<嵐雪>

関西でおからは「きらず」包丁を使わないの
が音の由来。しかし、文字表記は「雪花菜」
となり難読漢字のひとつ。中国語でのおか
ら「雪花」<シュエホワ>が起源といった感。

「立春の 夕べの湯気の 雪花菜汁<きらずじる>」<省二>

おからは大豆から豆乳を絞った残りかす。お
からの「から」は茶殻の「から」と同じ意味。
「絞りきったカス」から「からっぽ」に通じ
ることを室町時代の宮中の女房たちは忌み嫌
ったのでしょう。「お」をつけ丁寧語にした
といわれています。果実の梨を「なし」とせ
ず「有りの実」と呼ぶ。言葉には魂が宿ると
する言霊<ことだま>の国らしい慣習。

「卯の花を かざしに関の 晴着かな」 <會良>

おからは、近年、脳の記憶を活性化する物質
が含まれていることがわかり注目されていま
す。おからの「からっぽ」という意味。すで
に諧謔性すら感じられます。

「卯の花や 盆に奉捨を のせて出る」 <漱石>

構成と写真、殿
コメント
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