575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

書で潤い              愚

2006年07月17日 | Weblog
 先日の新聞に「書で潤い」という写真記事が載っていました。
 
 写真には北京の中心部にある北海公園の風景が写されています。
 七月の北京は暑いらしく人々は半そで短パン姿でたむろしています。
 市民と北京へのおのぼりさん半々くらい、十数人のひとが写されいます。
 場所としては日本にもよくある公園の一角で木々の植えられた芝生の部分に囲まれたちょつとした広場風の舗道。広場には平たい方形の敷石が敷かれています。
 問題は中心に写された老人。
 彼は夏の日差しで乾いたその敷石を紙に見立てて、墨汁ならぬ「水」で漢詩を鮮やかに書いているのです。
 老人は竹箒のような筆で水痕鮮やかに石畳に漢詩を書き下しています。
 通行の人々の数人が見入っています。白髪の老人は眼鏡を鼻までずらせて、片手を垂らしてなぞるように軽々と楷書を記していきます。
 詩の最初の部分はもう乾きかけて判読もままならないくらいです。

 すくなくとも大道芸人といった風情ではありません。
 詩と書の好きな老人が、ここへ時々やってきて、消え行く事に拘らず淡々と好きな漢詩を表現する喜びに浸っている姿なのです。

 写真の説明によると「地書」呼ばれているようですから、長い歴史を持つ中国の人々の楽しみの一つかも知れません。
 写真を見て中国の人々の文化の楽しみ方を垣間見たようなきがしました。

                     
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「あ」は認識の基点にある母音   

2006年07月16日 | Weblog


みごとな蓮の花。
写真はSさんから拝借しました。
綺麗な写真です。腕が違いますね。

さて、「あ」という母音について
興味深い本を読んだので紹介します。

まず、「あ」と発音して、その人体感覚を確認して下さい。
「あ」というと、体がニュートラルになったら、次を読んで下さい。



  古代日本語では自分自身を「あ(吾)」。相手も「あ」。
  遠くの認識点を指しても「あ」と呼んでいました。

  自分を「あ」というのは、
  「私に意識をおいてね。これから情報を伝えるから
  すぐに行動できるようニュートラルな状態でいてね。」
  という意思です。

  「わたしは、」など、話題の基点を示す助詞は
  「は」や「が」というア列の音を使っていますが、
  これは「あ」音を使うことによって、相手の意識をニュートラルに誘い、
  次の話題転換に機敏に対応してもらうためです。

  つまり「は」や「が」は相手への挨拶であり、招待状です。


  「私、思うんだけど、これ・・・」
  という言い方は、「は」や「が」が省略されています。
  これは相手に失礼な行為です。
  挨拶もせず、いきなり膝のうえに座り込むようなもの、

  「私はぁ、」と、母音を引っ張るのは、省略の次に失礼です。
  「は」は話題の基点を示す言葉。
  相手は語られた「は」によって、話題に上った「何か」を
  受け取ることになるのですが、「はぁ」と引きずると、
  受け取る「何か」に話し手が踏み込んで来る感じがします。


 女たちはなぜ「口コミ」の魔力にハマるのか(黒川伊保子)より

                        遅足

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カサブランカが咲きました  遅足

2006年07月15日 | Weblog
百合が咲きました。
カサブランカです。
映画のカサブランカを思い出します。
ヒロインは白い百合のようなイメージでした。


百合は夏の季語。

  双腕はさびしき岬百合を抱く  正木ゆう子

両腕をさびしい岬、という喩えには驚かされます。
百合を抱いている女性の心情と、
人気の無い、海鳴りの聞こえる、
夏の岬のイメージが重なってきます。

  百合剪ってくれし少年尼僧めく  中村苑子

こちらはまた、百合と性の暗喩でしょうか?
少年が尼僧めいてくるなんて、
女という性の深さと強さに怖ろしささえ感じます。
それをよく知っているからこそ、
尼僧という禁欲的なイメージを引き出してきたのでしょうか?

最後は男性の句です。 

  百合ひらき甲斐駒ケ岳目をさます  福田甲子雄


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ネコは存在するだけで芸術だ

2006年07月14日 | Weblog
とは、ちと大げさだけど、なんとも、いとおしい存在ではある。
寝ていても、トイレで御用中も、食事中も、その姿は美しい。

不思議な魅力を持っていて、一度抱いたら、もう虜。ネコ嫌いで「絶対に飼わん」と、嘯いていた夫が、すっかり嵌つてしまって、「ただ今」より先に「チビは?」と確かめるというのは、友人宅の実話。

やりたくない事は絶対にやらない。退屈になればゴロゴロと甘え啼き。ありがとう、お世話さま、折角だから・・などの語彙は持たない奴。そんなネコがどうしてこんなに可愛いのか。

古代エジプトでは、バスト神と呼ばれ、愛の、恵みの、戦い、の尊い神様。我が家には雌雄2神が御わしまし、イヤハヤ。

俳人にも愛猫家は少なくなくて、中でも加藤楸邨は有名。

  恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく

  猫が子を咥へてあるく豪雨かな

  百代の過客しんがりに猫の子も

大木あまりの猫と水

  あやまちは猫飼ひしこと水うらら

  水あれば猫を映して竹の春

    *3秒に1度の割りで尾を揺らし寝そべる猫の日永の羨し

                          鳥野

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投句を17日までにお願いします。 遅足

2006年07月14日 | Weblog
7月の例会は19日です。
題詠は「水」です。
一句を題詠でお願いします。

また締め切りは17日一杯です。
よろしくお願いします。

写真は醒ヶ井の水です。

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大学生のことば

2006年07月13日 | Weblog
大学生に「あなたの好きなことばは?」というアンケートをしました。
「ありがとう」、「継続は力なり」、「一期一会」、「思いやり」、
「自分を信じて迷わず進め」、「笑う門には福来たる」
「人生はかけ算、自分が0なら意味がない」
「傷ついたのは生きたからである」
など。意外に前向きなことばが出てきました。

自分を励ます言葉たち。これからの人生の荒波を越えて行くとき
心に響く言葉にたくさんめぐり会えますように。
ちなみに最近の私の好きなことばは。。。「心映え」です。麗
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桔梗が咲きました   遅足

2006年07月12日 | Weblog

桔梗。
俳句では、きちこう、とも言います。
(これって変ですよね)

もちろん秋の季語。
立秋は8月8日です。

ところで金沢へ行った話の続きです。
金沢は詩人室生犀星の生誕地です。

 ふるさとは遠きにありて思ふもの
 そして悲しくうたふもの
 よしや
 うらぶれて異土の乞食(かたゐ)になるとても
 帰るところにあるまじや
 ひとり都のゆふぐれに
 ふるさとおもひ涙ぐむ
 そのこころもて
 遠きみやこにかへらばや
 遠きみやこにかへらばや

詩集・抒情小曲集のなかの有名な詩です。
犀星にとって故郷・金沢は帰るところではなかったようです。
その金沢にも、最近、ようやく犀星の記念館が出来ました。

そこで知ったのですが、
犀星は、金沢にいた頃、俳句をつくっていました。
そして詩人になった後も、俳句は作り続けたようです。

水に関する句を選んでみました。

  近江らしく水光りゐて明け易き

  日の中の水引草は透りけり 

          金沢はでした。



 
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生き暮れて困った時のオムライス  朱露

2006年07月11日 | Weblog


 名古屋新栄「とんき」のオムライスで凌いだ。
 宿直の晩飯、飲み屋の帰り、その他何だろう。
 思えば物心ついてこの方生き暮れているので、
 終生「とんき」のオムライスで息をつきたい。

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水の虫・鳥・魚           愚足

2006年07月10日 | Weblog
 水蜘蛛・・あめんぼう・川ぐも・あしたか・水馬・海水馬

    水馬かさなり合うて流れけり    内藤 鳴雪

 水澄まし・・まいまい・渦虫

    ゆふがたのさすらいごころ水すまし 岡本 眸

 水恋鳥・・赤翡翠・深山しょうびん・雨恋鳥・きょろろ(カワセミを赤くした ような鳥で雨の来そうな時に鳴く)

    田を植えて戻るしじまや水恋鳥   田口 冬生

 水鱧・・初夏の出始めの鱧のこと湯引きするのでこの名がある。

    竹の宿昼水鱧をきざみけり     松瀬 青々

 水のつく季語、花木虫鳥には少ないですね。 どうしよう。

 「水虫」は駄目かな。

    風鈴を聴きて水虫眺めおり    goo  

    


    

    

    
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プールの底に

2006年07月09日 | Weblog

金沢の21世紀美術館に行ってきました。
兼六園のすぐ近く、市役所の横でした。
写真はスイミング・プールという作品。
アルゼンチンのレアンドロ・エルリッヒという人の作です。

現代美術作品を一部屋に一つ。
ボランティアか?きちんと説明する人が一作品に一人。
新しい展示方法が面白く感じられました。

一番面白かったのは、写真の作品でした。
どうなっているのでしょう?

                遅足


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芋の葉の滂沱(ぼうだ)と露の面(おもて)かな  川端茅舎

2006年07月08日 | Weblog

尾をひいて芋の露飛ぶ虚空かな
  (虚空は天と地の間のなにもない空間)
露の玉はしりて残す小粒かな
露の玉をどりて露を飛越えぬ
露微塵忽ち珠(たま)となりにけり


川端茅舎の句集・華厳から露の句を引用しました。
華厳は、昭和14年(1939)に刊行。
日中戦争は本格化しており、この年には、ドイツがポーランドに侵入し、
第二次世界大戦が勃発しています。

茅舎は、あとがきに、
「この未曾有難遭遇の時代に花鳥諷詠することが
未だ善か悪か自分は知らない、けれども然し只管花鳥諷詠する事ばかりが
現在自分の死守し信頼するヒューマニティなのである。
それ以外の方法を現在自分は知らないのである。」
と書いています。

川端茅舎は、岸田劉生に師事、画家を目指しましたが、
30歳を過ぎて、結核が発病、脊髄カリエスに悩まされました。
このため画業を断念、俳句に専念し、虚子に認められました。
日中戦争が俳人の心に大きな影を落としていることが分かります。
華厳を刊行した2年後の昭和16年、茅舎は亡くなりました。
44歳でした。

                      (遅足)


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句会の余禄

2006年07月07日 | Weblog
辞書によれば「正規の収入以外の余分の利益」・・となっています。
当方はまさに、目からウロコの余禄をいただきました。

静荷さんの<源氏物語・蛍>の解釈のユニークさ。なるほど、よく味わえばそうなんです。中年男のイヤらしさが、まざまざと見えてきます。

なにしろ、源氏を読んだのは多感?だった20代、谷崎の新約の初版本を、配本を待ちかねて読みふけったものでした。戦後の混乱と物不足の中、夢の世界が届けられたのです。

六条院の風情も、女人の立ち居も、襲ねの妙にも目を奪われて、ただただ美しいばかり、殿方も魅力的。それだけのことでした。

その後、いくつかの現代訳も出ていて、変わった解釈もあるでしょうが、勉強不足、そのまま過ぎてしまったことが悔やまれます。

違った視点で読み直したい、そう思って紙質も製本もボロボロの全巻を引っ張りだしました。

メンバーのみなさんがそれぞれの領域で博学。私にとっては何よりの句会です。余禄を楽しみに、貪欲に参加させていただきます。

              鳥野

                        
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決戦の場

2006年07月06日 | Weblog
昨日早起きしてサッカーを見ようとテレビをつけたら
なんと北朝鮮のミサイル発射というとんでもないニュースが飛び込んできました。
「ノドン」は北朝鮮が開発した弾道ミサイル。
「ノドン」とはこのミサイルが確認された地名から
アメリカがつけたコードネームだそうです。
ちなみに「ノドン」は韓国読みで、北では「ロドン」と発音されるとか。
とにかく物騒な国です。

しかし一夜明けるとテポドンよりまたサッカー一色のマスコミ。
お気楽な日本人を象徴していますね。イタリアかフランスか?アメリカか北朝鮮か?
関心はどうも前者のよう。。。
やっぱり平和なニッポンですね。 麗

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テレビ派は小泉さんが好き?

2006年07月05日 | Weblog

北朝鮮はミサイルを発射。韓国は竹島周辺に調査船を。
日本海は波高しです。
小さな記事も興味深かったので紹介します。

中日新聞の朝刊に「テレビ派に多い小泉政権支持」
という記事が載っていました。
政治情報をどのメデイアから得ていますか?という
質問の回答を紹介したものです。


政治情報を得るメデイアが新聞という人は 61.2%
            テレビという人は    31.4%

  政治情報を得るメデイアについては新聞が多くなっています。


新聞派のうち小泉政権を支持する割合は 41.1%
              支持しない割合は 58.9%

   と、不支持が多い。

 
テレビ派は逆に小泉政権を支持する割合は 62.2%
             支持しない割合     37.6%

   と、支持が圧倒的。

 たしかに小泉さんほど、テレビを上手に使った政治家はいない。
 ところが、同じ紙面にちょっと気になる記事。
 これまで一日二回だった定例記者会見を一回にしたいと
 内閣記者会に通告したとのこと。
 今度はどんな小泉流テレビ戦術なのでしょうか?



                         遅足
 




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白木槿が咲きました   遅足

2006年07月04日 | Weblog

今日は秋のような素晴らしい青空。
立秋はまだ一ヶ月も先です。
梅雨晴れ間でしょうか?

槿の花は「秋」の季語なんですね。
謡のなかに槿はよく出てきます。
「槿花一日の栄(きんかいちじむのえい)」などと謡われます。

朝開いて夕方しぼむ一日花。
白居易の詩の一節、
「松樹千年終に是れ朽ち、槿花一日自ら栄を成す」が出典だそうです。
人間の栄華のはかなさの例えとして、よく使われたようです。


 道のべの木槿は馬にくはれけり  芭蕉
 

なお、槿は韓国の国の花と聞いたことがあります。

 

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