575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「あ」は認識の基点にある母音   

2006年07月16日 | Weblog


みごとな蓮の花。
写真はSさんから拝借しました。
綺麗な写真です。腕が違いますね。

さて、「あ」という母音について
興味深い本を読んだので紹介します。

まず、「あ」と発音して、その人体感覚を確認して下さい。
「あ」というと、体がニュートラルになったら、次を読んで下さい。



  古代日本語では自分自身を「あ(吾)」。相手も「あ」。
  遠くの認識点を指しても「あ」と呼んでいました。

  自分を「あ」というのは、
  「私に意識をおいてね。これから情報を伝えるから
  すぐに行動できるようニュートラルな状態でいてね。」
  という意思です。

  「わたしは、」など、話題の基点を示す助詞は
  「は」や「が」というア列の音を使っていますが、
  これは「あ」音を使うことによって、相手の意識をニュートラルに誘い、
  次の話題転換に機敏に対応してもらうためです。

  つまり「は」や「が」は相手への挨拶であり、招待状です。


  「私、思うんだけど、これ・・・」
  という言い方は、「は」や「が」が省略されています。
  これは相手に失礼な行為です。
  挨拶もせず、いきなり膝のうえに座り込むようなもの、

  「私はぁ、」と、母音を引っ張るのは、省略の次に失礼です。
  「は」は話題の基点を示す言葉。
  相手は語られた「は」によって、話題に上った「何か」を
  受け取ることになるのですが、「はぁ」と引きずると、
  受け取る「何か」に話し手が踏み込んで来る感じがします。


 女たちはなぜ「口コミ」の魔力にハマるのか(黒川伊保子)より

                        遅足

コメント (6)
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