575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

闇にもさまざま     鳥野

2007年05月18日 | Weblog
五月闇、なんとなくミステリアスで、掴みどころの無い暗さ。誰が言うたか、言い得て妙です。

梅雨のころは、雲が低く昼間の家内でも薄暗いもので、敢えて昼夜の別はないと思っていました。
でも本来は梅雨時の月も星も見えない夜の暗さを言うらしい。

対語にある”五月晴れ”も爽やかに晴れた5月の空を描いたら、それも誤り。梅雨の只中の僅かな晴れ間を捉えるのが正しいと。

やっぱり、季語は手強くて、奥深い。

あれやこれやと言う前に、この1句。すっきりしました。

   どくだみや真昼の闇に白十字  川端茅舎
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句会雑感    遅足

2007年05月18日 | Weblog
いくつかの句について話題になったことを一言。

五月雨やお食事処灯がともる

 句会が終って、外に。
 そこには、安田屋の「御食事処」の看板が。

五月雨や小旗に引かれ傘の列

 観光旅行か、小学生の列か?読みが分かれました。
 作者は小学生を詠んだとのこと。

五月雨や五目並べの白苦戦

 幼い子供に五目並べを教えている所とのこと。
 どのように気づかれずに負けるのか?
 その苦労。

薄暗き仏間に白い柏餅

 白い柏餅にエロスを感じた句だそうです。
 亡くなったのはどんな方だったのか?

逢いに行く赤信号の五月雨るる

 赤信号が意味深長。
 かなりの票を取ったのでは?

おしゃべりの楽しい句会でした。



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5月句会の結果です。  遅足

2007年05月17日 | Weblog
題詠「五月雨」

①五月雨やお食事処灯がともる(朱露)麗・亜
②五月雨や小旗に引かれ傘の列(立雄)童・龍・静・郁
③五月雨の中悠然と老いた猫(龍次)能・立
④五月雨や命たぎれる蝌蚪の泡(能登)愚・静
⑤五月雨透けて降りくるエレベーター(亜子)麗・朱・龍・遅・愚
⑥五月雨が上がり何かが変わりおり(麗子)立・郁
⑦五月雨や五目並べの白苦戦(晴代)麗・朱・遅
⑧五月雨に猫ひそみ居る舟屋かな(愚足)童・能
⑨街路樹のはや重々とさみだるる(静荷)遅・愚・亜・晴
⑩花しべのまつげ濡らして五月雨(郁子)童・能・晴
⑪青空が散って天地のさみだるる(遅足)朱・龍・亜・立・静・晴・郁

   

自由題

①けんけんの白線残し若葉雨(晴代)麗・能・遅・愚・立・静
②ビーグルの子は噛みたくて夏来たる(朱露)麗・童・愚・郁
③ヴィオロンの超絶技巧さみだるる(亜子)龍
④山藤に熊ん蜂飛ぶ廃家かな(愚足)能・郁
⑤竹落葉問えば全壊能登の友(静荷)朱・龍・遅
⑥どうと吹きわあとさざめくみどりの子(郁子)静・晴
⑦手の中に雷のありけり青胡桃(遅足)童・朱・晴
⑧紅薔薇甘きかほりで誰(た)を待つや(能登)亜
⑨カーテンを洗い窓辺に夏来る(麗子)童・朱・龍・立・静・晴・郁
⑩奥飛騨にショパン聴くとは春の暮(立雄)亜
⑪薄暗き仏間に白い柏餅(龍次)麗・能・遅・愚・亜・立

   

番外
逢いに行く赤信号の五月雨るる(童子)

次回は6月20日(水)午後6時 安田屋
題詠は「泉」です。

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メールのことば   麗

2007年05月17日 | Weblog

ケータイメールで使われている若者ことば。
意味不明の単語が続々と出てきました。

大学生に混じって年配の方が聴講生として参加されているのですが
私同様驚きの表情で
「別の国のことばのようです。。」との感想でした

1,ってか(「ていうか」の略。促音という「っ」で始まる日本語があるとは!)
2,んぢゃ(「じゃあ」の意味。撥音という「ん」で始まる日本語があるとは!)
3,うぃ(フランス語で「はい」の意味。でもなぜかひらがなで書く)

まだまだ続きは次回のお楽しみ。
会話文をそのまま文字化するケータイメールのことばたち。かわいらしさや明るさを出すために
小さな「っ」を使ったり元気よく見せるためにわざとひらがなで書いたりするそうです。

普段の話しことばをなんとか文字で音声化しようとする努力は新鮮ですが
彼らのボキャブラリーの不足は否めません。
どこか仮面をかぶったデジタルなことばという気もしました。

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5月の句がそろいました。   遅足

2007年05月16日 | Weblog
5月句会の投句が集まりました。

題詠「五月雨」

①五月雨やお食事処灯がともる
②五月雨や小旗に引かれ傘の列
③五月雨の中悠然と老いた猫
④五月雨や命たぎれる蝌蚪の泡
⑤五月雨透けて降りくるエレベーター
⑥五月雨が上がり何かが変わりおり
⑦五月雨や五目並べの白苦戦
⑧五月雨に猫ひそみ居る舟屋かな
⑨街路樹のはや重々とさみだるる
⑩花しべのまつげ濡らして五月雨
⑪青空が散って天地のさみだるる

   

自由題

①けんけんの白線残し若葉雨
②ビーグルの子は噛みたくて夏来たる
③ヴィオロンの超絶技巧さみだるる
④山藤に熊ん蜂飛ぶ廃家かな
⑤竹落葉問えば全壊能登の友
⑥どうと吹きわあとさざめくみどりの子
⑦手の中に雷のありけり青胡桃
⑧紅薔薇甘きかほりで誰を待つや
⑨カーテンを洗い窓辺に夏来る
⑩奥飛騨にショパン聴くとは春の暮
⑪薄暗き仏間に白い柏餅

選句は各3句づつです。
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アカシアの雨が止む時        草女

2007年05月15日 | Weblog
 西田幸子の物悲しいような気だるいような歌を記憶している。このアカシアの花は? もちろん白い藤のように房になって咲くあの花だ。
 林業関係者はこの樹を偽アカシアといい、植物学者は針槐(ハリエンジュ)という。マメ科ハリエンジュ属の落葉高木で学名をブセウドアカシアという。プセウドは似て非なる・・つまり偽という意味からニセアカシアになった。そして一方のハリエンジュは、エンジュに似ていて針(刺)があるのでハリエンジュになつたとややこしい。
 このニシアカシアは、北アメリカ原産で日本には明治時代の初めに渡来した。強健で成長力が旺盛であり、水分や肥料分の乏しい土地でもよく成長する。だから、砂の害に悩まされる海岸、山を切り開いた道路などの法面などによく植えられている。また、マメ科特有の根にある根瘤菌で空気中の窒素を固定し地味を肥やすので、銅鉱山の煙害地の復活にも活躍している。
 おまけに、芳香のある花と蕾は食べることができる。生のものは天麩羅、バター炒め、油煮、澄し汁、に好く。茹でたものはマヨネーズ和え、煮びたし、サラダなどにするとおいしい。
 そして、花の蜜は良質で養蜂家はニセアカシアの開花期を求めて南から北へと日本を移動する。
 さて次に葉であるが、乳牛、馬、羊などの飼料になり、これらの家畜は乾燥した葉を他の飼料に混ぜると喜んで食べると言う。
 もうひとつ木材としても堅硬で重く、緻密で耐朽力が強く利用価値が高い。

 これだけ役立てば、根が浅く、成長は良いが早熟・早死で、萌芽力が強く駆除に苦労するという欠点を補って余りある。
 本家アカシアがミモザの名に甘んじ、偽アカシアがアカシアになりつつあるのも仕方ないことだろう。
 そうそう、流行歌の背景樹としても抜群だ。

   アカシアの花降る中に兵の墓      門前ふみ

(投稿にあたり、八坂書房・有岡利幸著・日本植物文化誌を参照)
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男の豆腐           愚足

2007年05月14日 | Weblog
 イオン系のスーパーによく買い物に行くが、最近気になるのが豆腐売り場。
 売り場の四分の一ほどのスペースに、やたら「男」「おとこ」をネーミングにした豆腐の一群が並ぶ。「男」「男前豆腐」「ジョニー」「男前マサヒロ」etc
 関西系の男前豆腐店というのが販売元で、最近猛烈な名古屋進出である。
 横を通ると時々売切れに近いときがあり、中々の人気である。
 そして、これがポイントかもしれないが、たかが豆腐なのに高価なのである。
 一丁、200円近くから400円くらいまてでの高値がついている。

 「男」というネーミングと高値。 なかなかの狙い目である。
 馬鹿な男が買い、男を操る女が偶に買っていく。
 売り場では大抵男が興味を示し、女が判断する。二人の関係が推察できそうだ。

 えっ。・・・・私はそっとカゴの隅に押し込んでおく。 

   新豆腐少しかたきぞ遺恨なる     蕪村
   僧堂の飯の白さよ新豆腐       水原秋桜子
   湯豆腐やいのちの果てのうすあかり  久保田万太郎
   忽ちに雑言飛ぶや冷奴        相馬遷子

 やはり、豆腐は男が似合う?
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筍               愚足

2007年05月13日 | Weblog
 筍の季節です。 筍が大好きで、この季節以外の時もやむをえず、加工品の筍を食べています。
 採りたての筍を軽く煮付けた物は最高ですし、筍ご飯も待ちきれません。
 筍を食べるのは日本人と中国人だそうですし、今スーパーに並ぶゆで筍は殆どが中国産とか、またメンマはタイマ竹の乾燥品だとか。               とは言え、この時季、京都産、旬の朝掘り筍を口にしたいもの。

 掘喰らふ我たかうなの細きかな      蕪村
 雨を聴く竹の子の皮剥きながら      安住 敦
 竹の子の小さければ吾子かがみこむ    大串 章
 筍の荷がゆく朝の札所前         飯田龍太
 
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5月句会近づく   遅足

2007年05月13日 | Weblog
16日が5月の句会です。
今月の題詠は「五月雨」。
陰暦5月に降る長雨、つまり梅雨のことです。
梅雨は中国から輸入した言葉。
「さ」は皐月の「さ」。「みだれ」は水垂れ。
「さみだれ」
「さみだるる」
やまと言葉だと語感がやわらかくなります。

 さみだれのあまだればかり浮御堂  阿波野青畝

川端康成にもこんな句がありました。

 五月雨や湯に通ひ行く旅役者    川端康成

伊豆の踊子の世界ですね。

   

締め切りは14日一杯です。お待ちしています。



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起き抜けにアドリブ噛ますラムネかな   朱露

2007年05月12日 | Weblog

   日曜日明け方、CBCラジオのドランクドラゴン。
   鈴木・塚地さん、特に鈴木のアドリブが強烈だ!
   塚地が呆然沈黙し、収束不可能なまま弾け捲る!
   マリナーズの鈴木とドランクドラゴンの鈴木だ!

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あららっ、季語に無い      

2007年05月11日 | Weblog
伊良湖岬の恋路浜に近い、初夏の砂丘。薄紅色の浜昼顔の花が点々と咲いていました。
寄り添うように穂を立てているのは、弘法麦。
葉も茎もこわ張って、ごつい姿ですが、よく見れば、粒々がぎっしりと詰まった穂はあどけない。

ともすれば見過ごされてしまう弘法麦。
まだ出会ったことはないが、春には黄褐色の穂花が揃うという。

根茎で筆を作ったことに由来し、筆草の名もあるとか。それが弘法さんを連想させるのか。
この地味だけれども、存在感のある草こそ、俳句の素材にふさわしい、俳人はどのように、と歳時記を繰ってみたけど、見当たりません。

季語に無いってほんと? 年中はびこっているから? いえいえ、花は春に咲きます。

 
   ・ わたしにもいいとこ一つはありそうで弘法麦の走り根たぐる   鳥野
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手つかずの空   麗

2007年05月10日 | Weblog
    手つかずの空ありて夏立ちにけり   伊藤通明

という俳句に出会いました。

「手つかずの空」という表現が新鮮で好きになりました。
五月になれば空は晴れて街路樹は瑞々しくさわやかです。
でも昨日の真夏日に、光化学スモッグ注意報が発令されたというニュースを聞くと
あらためて環境汚染のおそろしさを実感。

「手つかずの空」がいつまでも続くよう願ってやみません。
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新茶の季節   遅足

2007年05月09日 | Weblog

八十八夜も過ぎて、新茶の季節。
友人の一人に、お茶を淹れるのがとても上手な男がいます。
お茶の種類にも詳しく、湯加減、時間など、
細心の注意を払って淹れてくれます。
たしかに美味しい。
付録に、お茶の講義もついています。

 新茶汲む終りの雫汲みわけて  杉田久女

大学生の頃、妻の実家を訪れたら、
一家総出で、お茶の葉をもんでいました。
お茶を作るためには、①葉を摘み、②蒸し、
③熱いうちに乾燥させ、④何度も手で揉む。
なかなか大変な作業です。
庭にはお茶の木もありました。
お店で売っているお茶とは一味違った美味しさでした。

  
 
小学唱歌の茶摘み歌の一節。

 摘めよ摘め摘め摘まなきゃならぬ
 摘まにゃ日本の茶にならぬ

変な歌詞ですよね。
「日本のお茶」に決まっているじゃないですか。
ずっと疑問に思っています。

 お揃いの茶碗をさがす新茶かな  遅足






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なんじゃもんじゃ

2007年05月08日 | Weblog
東山公園の近くで「なんじゃもんじゃ」の花が
咲いていました。
東海地方とごく一部の地域にしか咲かない花だそうです。
最近は、街路樹に使われるようになったため
よく見かけるようになりました。

ヘンな名前ですね。   遅足
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菖蒲湯           草女

2007年05月08日 | Weblog
 こどもの日の風呂に買い求めたショウブを入れた。
 ショウブは、サトイモ科ショウブ属の植物で根は健胃薬に使われ、全体からの芳香が特徴といわれる。
 ところが私の鼻にはどうにも芳香がしない。葉を揉んだり、茎や根を傷つけてもである。これは今年に限ったことではない。
 端午の植物として何故ショウブとヨモギが選ばれ続けてきたかは、朝日選書・湯浅浩史著「植物と行事」に詳しいが、要するに「香り」である。万葉の頃も根を刻んでお酒に入れ香りも楽しんだという。
 では、買い求めた「匂はぬ」ショウブは本物なのか?
 古来ショウブとアヤメとハナショウブはいつも混同されてきた。
 だから、買い求めた物は本物のショウブではないのでは?という疑問と老化した私の嗅覚が馬鹿になつているのでは?という疑問に悩まされている訳である。
 ところが、 一つ気になるのは買ってきたショウブの根が皆赤いことである。ショウブは白いと聞いた事があるのだ。一度調べてみなくてはなるまい。
 来年こそ匂い立つショウブ湯にはいりたいものである。
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