575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

難解句の楽しみ方?      愚足

2007年05月07日 | Weblog
 岸本尚毅氏が難解句の読みかたを初心者に教えている。
 「おおかみに蛍が一つ付いていた」 金子兜太の句である。
 まず解釈・・狼の身体に一匹の蛍が付いていた。 誰が読んでもそれ以外の解釈は無い。
 次に解釈から鑑賞に移る。鑑賞は読者の想像力を働かせながら一句のイメージに肉付けをしていく作業で最も楽しい。
 この句で思い浮かべるのは狼だ。絶滅した精悍・獰猛な姿。蛍が登場するから夜。光る蛍が狼にしがみついている情景。
 この句はそうした景の中に何かを読者に感じさせたい。何を言いたいのか?
 それは 読み手自身が考えるよりほかは無い。
 例えば絶滅した狼への鎮魂、日本古来の風土への哀惜・・・・
 この想像が難解句の魅力ではないのか。
 一語一語の意味を虚心に読み取ったあとは、自由な想像を楽しみながらその作品を享受すれば良い。

 ごもっともですが、狼と蛍から滅び行く日本古来の風土への哀惜まで思い至る
能力がありません。変な句でお終い。 皆さんは如何ですか?
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日から夏   遅足

2007年05月06日 | Weblog

暦の上では今日から夏。立夏です。
朝から雨。ほどよいお湿りと、気温です。

    

温暖化のせいか、25度を越す夏日もすでに何回か体験。
さあ夏ですよ、と言われても、違和感がなくなりました。

 おそるべき君等の乳房夏来る  西東三鬼

夏になれば衣替え。
現代の女性の服装を見たら、三鬼さん、どんな句を詠むのかな。

 しまうまがシャツ着て跳ねて夏来る 富安風生

ゴールデン・ウィークの東山動物園は、超満員。
5日のこどもの日は、最高気温27度。完全夏日です。
久しぶりに泣き叫ぶ子供の声と
迷子のアナウンスを聞きました。
半そで、短パンのお父さんも。

明日は

 開襟のボタン吹っ飛ぶ立夏かな 遅足


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

凛凛と士農工商アナウンサー   朱露

2007年05月05日 | Weblog

   放送局内の存在感の希薄さを嘆き、
   私が作ったのが中七と下五の標語。
   自虐的で仲間の受けが悪くオクラ。
   「凛凛と」で俄然俳句になったか?
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

腸切って一人酒飲む昭和の日   朱露

2007年05月04日 | Weblog

      1990年4月28日腹膜炎で救急車!
      29日では医者がいなくて、まずダメ!
      緑の日が55年の人生最後の日の筈だ。
      17年後の今日昭和の日朝酒で言祝ぐ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いまいち分からない。 コメントにかえて    愚

2007年05月04日 | Weblog
 室生寺の観音様しっかりみたことがありません。

 仏像というのがいまいち分かりません。
 仏像美しさ? 入門書にはいろいろ書いてありますが、納得できかねます。

 姿より顔の表情が気になるだけれど、顔は塗りが剥落したりして美しいとは言いがたい場合が多く、 顔かたちも日本人的とはいいかねます。

 多分、自分が想像力の乏しい生まれつきなのでしょうね。
 しかし そうは言っても 興福寺阿修羅像だけは大好きです。
 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

またもや、十一面観音   鳥野

2007年05月04日 | Weblog
湖北の十一面さまは、ゆっくりと里住みされ、まことに身近。無住の粗末なお堂で、世話をするのは、輪番の村人という所さえ珍しくはありません。

それに比べて大寺の仏さまは、豪壮な堂宇の奥深くに鎮座され、拝観するのも容易ではありません。

そんななかで、優しい佇まいを垣間見ることのできるのが、室生寺のお方。国宝指定の金堂の片隅にお立ちです。とはいうものの薄明の堂内で、はっきりと拝観するのはとても無理、大型の図録を購入する破目になります。

下膨れの頬、豊かな胸、唇には紅をさし、首にも腕にも胸にも見事な飾り物をつけておられます。
珍しいのは額の上の花冠。精巧な髪止めといった風情で、本当におしゃれな美女です。

ことし訪れたのは、4月末、室生は、遅い花の盛りでした。


   ・鮮らけき<女人高野>の石の文字目守れるごとく観音の立つ

   ・櫻明かりのふと内陣に差たるか観音の花冠艶めきし瞬
                               

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

郁子の花

2007年05月03日 | Weblog








近所に郁子(むべ)の花が咲いていました。
郁子はアケビ科で通草(あけび)に似ています。
常緑なので「ときわあけび」とも言うそうです。
郁子は秋の季語ですが、郁子の花は春の季語。

  夫婦もて訪ふ夫婦あり郁子の花  石田波郷

  君はいま子を宿ししか郁子の花  遅足

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は八十八夜    遅足

2007年05月02日 | Weblog
 
今日は立春から数えて八十八日目。
この頃までは、霜が降りたり、強い風が吹いたりしますが、
八十八夜を過ぎると、霜注意報も出なくなり、
農作物への被害も少なくなると言います。

定年後に家庭菜園を始めました。
八十八夜の別れ霜という言葉もあるようで、今が苗を植える時期です。
休日ともなれば、農協の売り場は人で一杯。
私も、胡瓜や南瓜などの苗を買って、植えました。

  

肥料は、申し訳程度、ほんの少し。
まさにヤラズブッタクリの農業。
でも、水を欠かさなければ、ちゃんと実ります。

 土塊に八十八夜の地の力  遅足
 
八十八夜は春の季語。
手元の歳時記から最初の2句を引用してみます。

 逢いにゆく八十八夜の雨の坂  藤田湘子

 箸置に箸は八十八夜にて  川崎展宏

農作業が身近な出来事ではないため、
日常生活のなかでは死語の八十八夜。
八十八とか、夜という意味に、面白さを見出した句のように感じられます。

子供のころに覚えた歌。
夏もちかづく八十八夜・・・・
この歌の題は「茶摘み」だったかな?
そういえば茶摘みの時期でもありますね。
新茶が出回るころです。
新茶は夏の季語だそうです。

  今日はから




コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

獺祭             愚足

2007年05月01日 | Weblog
 添付の絵は小川芋銭の「獺祭」という日本画で私が大好きな作品です。
 明治の頃までは日本各地にいたという獺(かわうそ)が身内供養をしている図です。                                    獺は身内を大切にする動物で、親が捕殺されると子の獺が毎年捕った魚を捧げて供養するという言い伝えがあります。
 牛久沼に住み反戦画家としても知られた「芋銭(うせん)」のこの絵を見てすっかり「獺」と「芋銭」のファンになってしまいました。
 早春、三日月の川岸に親を偲ぶ「かわうそ」の悲しげな姿には心うたれます。
 一方「小川芋銭」は俳句もよくしたと言われていますが、お目にかかってはいません。さぞ、素朴で諧謔味あふれた句だろうと想像します。かわりに、人々が獺と親しかった江戸時代の俳人の句を載せてみました。

   獺のまつり見てこよ瀬田の奥       芭蕉
   青淵に獺(をそ)の飛込む水の音     曾良
   魚まつる獺おぼろなり水の月       青橘
   獺の月に啼く音やくづれやな       蕪村

                             
※句については宮地伝三郎氏の「俳風動物記」を参照しました。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする