575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

4月句会の最終結果です。    遅足

2011年04月20日 | Weblog
4月句会は、ちょっと風のある小寒い日となりました。
このところ、句会になると西高東低の気圧配置のようです。
7人が出席、原発の話などのひとしきり。
立雄さんと朱露さんの選句が届きました。
最終結果です。


題詠「朧」

①無駄もまた潤いになる朧かな(狗子)結宇・遅足
②黙阿弥の科白つぶやく朧かな(晴代)結宇・静荷
③くしゃみした途端この世は朧にて(朱露)能登・麗子・郁子・狗子・立雄
④古の都はおぼろ東大寺(麗子)静荷・亜子・立雄
⑤点眼の指定まらぬ朧かな(亜子)愚足・能登・麗子・狗子・遅足・立雄・朱露
⑥おぼろ夜や乱れ心地のしきりなる(静荷)値遇
⑦道々にぼんぼり灯る朧かな(立雄)値遇・鳥野・晴代
⑧朧月みんな恋愛依存症(遅足)値遇・狗子・静荷
⑨木霊寄りておぼろおぼろの山の肌(郁子)
⑩朧夜や時計鳴り出す骨董屋(値遇)結宇・愚足・能登・鳥野・郁子・亜子・晴代・遅足
⑪話尽き松葉おぼろに数ふかな(結宇)鳥野・郁子
⑫なにものか我が身に入りぬ夕おぼろ(能登)愚足・麗子・亜子・晴代

 
自由題
 
①落日の影包み込む春の海(立雄)値遇・遅足
②君にあう前の若葉にあいにゆく(遅足)結宇・能登・麗子・郁子
③春灯おのが胸にも詩ごころ(静荷)亜子・晴代
④余震なほ揺れる映像春寒し(亜子)愚足・鳥野・静荷
⑤木蓮の落ちて継がれる蕊の望(郁子)狗子・静荷・晴代・立雄
⑥黒髪に散る花のあり十五歳(能登)鳥野・亜子・晴代・朱露
⑦藤棚に閑人の打つタイプ音(結宇)麗子
⑧桃咲くや丘ゆるやかに韓の墓(晴代)結宇・愚足・狗子・亜子・遅足
⑨花びらのシャワーを浴びて桜道(麗子)値遇・郁子・遅足・立雄
⑩春休み五十娘の小言聴く(朱露)値遇・結宇・能登・麗子・狗子・静荷・立雄
⑪一つだけポツンと残る桜餅(狗子)愚足・能登・鳥野・郁子
⑫蘖やうつろの幹の保護樹木(値遇)
 
            

次回は5月18日(水)午後1時 東鮨 
題詠は「夏めく」「初夏」です。

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この窓は銀河のほとりヒヤシンス   遅足

2011年04月20日 | Weblog
船団・南村ドクターの診断です。

「銀河のほとり」とはなんと素敵な表現だろう。
そして、ヒヤシンスそのものやその語感と相まって
静かな大人の時間を感じさせてくれる。

ありがとうございます。
自分でも気に入っているので、とてもうれしいです。


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憂い引き摺って、球春   鳥野

2011年04月19日 | Weblog
重い心を引きずって、気分の晴れない日々です。
そんな中、遅ればせながら、プロ野球が開幕しました。
いよいよ球春です。
スポーツはやっぱり爽やか。その話題だけでも、いっとき憂さを忘れさせてくれます。

正岡子規は、俳句や短歌の界の大御所、そしてまた、野球でもその功績の大きさは、よく知られています。

アメリカ由来のベースボールを「野球」としたのも正岡子規、そのほか多くの用語の日本語訳は、そのまま今も使われています。

その足跡を顕彰して、2002年には「野球殿堂入り」を果たしました。

わくわくするような秀句や秀歌も、多く作られています。

 ・ まり投げて見たき広場や春の草

 ・ 今やかの三つのベースに人満ちてそろぞに胸の打ち騒ぐなり

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スズメノカタビラ               草女

2011年04月19日 | Weblog

3月の下旬ってこんなに寒かったかしら? 大震災のニュースだけでも参っているの
に、原発が治まらず水道水や野菜が汚染されているというニュースにテレビをつけた
くない毎日、体も心も寒い。けれど、庭の様子を見ると確実に春が近づいて来ている
のがわかる。抜かなくてはいけない草が生え始めている。その中の一つにスズメノカ
タビ ラがある。イネ科の植物は見分けるのに苦労するものが多いが、このスズメノカビラはすぐわかる。何と言っての小さく、草丈が5~25cmであり、芽生えと同時
に花が咲き実を付ける。今どき花や実を付けているのスズメノカタビラだけだ。これが
11月まで続くから、抜いても抜いても生えてくる。

 小さい草には小ささを強調するためにスズメを冠することがある。例えばスズメノ
ヤリ、スズメノエンドウ、スズメウリ等など結構多い。スズメノカタビラは小さい草
だからスズメ、穂先に着物の合わせ目に見える部分があり、これをスズメの帷子に見立
てたもの。帷子は一重の衣服を指すが、仏式で葬る時死者に着せる着物、経帷子をい
うともある。この大震災でどの位の帷子がいるのだろう。胸が痛む。

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4月句会の投句が集まりました。   遅足

2011年04月18日 | Weblog
原発事故も、まだまだ予断を許しません。
先が見通せない4月となってしまいました。
4月句会の投句が集まりました。


題詠「朧」

①無駄もまた潤いになる朧かな
②黙阿弥の科白つぶやく朧かな
③くしゃみした途端この世は朧にて
④古の都はおぼろ東大寺
⑤点眼の指定まらぬ朧かな
⑥おぼろ夜や乱れ心地のしきりなる
⑦道々にぼんぼり灯る朧かな
⑧朧月みんな恋愛依存症
⑨木霊寄りておぼろおぼろの山の肌
⑩朧夜や時計鳴り出す骨董屋
⑪話尽き松葉おぼろに数ふかな
⑫なにものか我が身に入りぬ夕おぼろ

 
自由題
 
①落日の影包み込む春の海
②君にあう前の若葉にあいにゆく
③春灯おのが胸にも詩ごころ
④余震なほ揺れる映像春寒し
⑤木蓮の落ちて継がれる蕊の望
⑥黒髪に散る花のあり十五歳
⑦藤棚に閑人の打つタイプ音
⑧桃咲くや丘ゆるやかに韓の墓
⑨花びらのシャワーを浴びて桜道
⑩春休み五十娘の小言聴く
⑪一つだけポツンと残る桜餅
⑫蘖やうつろの幹の保護樹木
 
番外
喜びの値千金めぐり遇い(麗子)

青葉風は、色を濃くして薄くして吹いています。
さて、句会の風は、どの句に好意的に吹くのでしょうか?




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型に負ける      遅足

2011年04月18日 | Weblog
短歌の本を読んでいたら、
定型に従って歌を詠んでいくうちに
類想歌をつくってしまうようになる。
これを、型にまける、という、とありました。

俳句の場合も同じだなあ、いや短歌よりも
型に負ける可能性は高いんじゃないでしょうか。
17文字しかない俳句のほうが
より型につかまってしまうかもしれない。

作り始めた時は、普段のコトバを、どう575という
短い型のなかに閉じ込めようかと悪戦苦闘。
その微妙なアンバランスが緊張した表現に
繋がる可能性もある。

しかし、さらに作り続けて、すんなりと型に
嵌めることが出来るようになると、
今度は、型にはめて良し、と思ってしまう。
ここが落とし穴。

出来るのは類想句ばかり・・・
さらに季語という魔力を持つコトバに捕まってしまうと、
なかなか逃げ出せない。

ここから、本当の俳句の楽しみが始まる、と
考えてガンバッテみよう。

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蜆汁死は斜めからやってくる   遅足

2011年04月17日 | Weblog
船団・岡野ドクターの診断です。
「蜆汁」の生に死の影か?斜めがいい。

ありがとうございます。
震災前につくった句です。

死には3人称と2人称はあるが、
1人称は、あるともないとも言えない。
微妙な「私」と「死」の関係・・・

それを「斜め」と言ってみました。





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わが家の歳時記・大根の花   遅足

2011年04月16日 | Weblog
わが家の庭では今、大根の花が真っ盛りです。
時々、モンシロチョウがやってきます。
家庭菜園の真似事で、大根を植えたのが冬・・・
食べきれずに何時の間にか花が咲いてしました。
こうなると、もう硬くて食用にはなりません。

この他、チューリップ、菫草、キンギョソウ、シャガ、ヤマブキなどが
今を盛りと色を競っています。

ツツジも、まもなく満開に。
牡丹も蕾が膨らんできました。
一方、椿の花は、そろそろ終わりに近づき、
梅やサクランボは実をつけています。

この間まで沢山やってきた雀ですが、今は2羽だけでやってきます。
巣作り・子作りのシーズンに入ったようです。
季節はしっかりした足取りで夏に向かっているようです。




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指先にたどる淋しさ花辛夷   遅足

2011年04月16日 | Weblog
船団・早瀬ドクターの診断です。

相手の指先に淋しさを感じるのでしょうか。
せつない句。

ありがとうございます。
状況をどう設定するかで、
さまざまに読めるんでしょうね。

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花散りぬ女三人立ち話     朱露

2011年04月15日 | Weblog
   二階から見下ろしている朝の風景。
   若・中・老取り揃った近所の主婦。
   男どもはなかなかこうは成らない。
   どうすれば話さずに済むかと私メ。

            



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今を味わいつくす。      遅足

2011年04月15日 | Weblog
ついてってやれるのは
その入り口まで
あとは一人でおやすみ
坊や

記憶には残らぬ今日を
生きている
子にふくませる
一匙の粥

俵万智さんの歌集「生まれてバンザイ」より。

俵さんの言葉。
子育ての歌は、刺身。
子供との時間は、とびきり新鮮で美味しい。
鮮度のあるうちに言葉にしてしまわないと
あっという間に古びてしまう。

      

今を味わいつくす。
そんな感じ方が出来たら最高です。
俳句も、そういう毎日を過ごすためのツールに出来たら・・・

毎日毎日出るゴミ。
これだって震災に遭ったおばさんには新鮮に感じられたんだ!
死をくぐったから・・・








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水が欲しい、水が欲しい・・・     遅足

2011年04月14日 | Weblog
「地震直後に、水が欲しい、水が欲しい、と言っていた。」
水を欲しがっていたのは原子炉。

地震直後の2日、水を与えなかったことが、
その後の水素爆発へ繋がった、と、ロシアの原子力担当者の言葉。
原発事故に関するニュースを見たり、読んだりしています。
そんななかで「!」と感じた言葉です。

           


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花冷えや棋譜を並べて閉じこもる    朱露

2011年04月14日 | Weblog
   山下本因坊と林七段の天元戦を研究する、
   と書くがプロの碁はサッパリ分からない。
   分からないのに分かったふりは出来ない。
   五十年やっているが何にも分かってない。 

              



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「朧」句会近づく。 遅足

2011年04月13日 | Weblog
今回の題詠は「朧」です。
ものごとがボンヤリした様。
季語では、春の夜、森羅万象がかすんで見える様子を。
朧影。
朧銀。
朧饅頭。などなど、面白い言葉が一杯。

良い季語は力が強い。
大抵のものは句になってしまう。
しかし、ややもすると季語を説明するだけに終ってしまう。
恐ろしいワナでもある。

   シャワー全開朧も娘も流れけり  若林千尋

これは、どうでしょうか?
春の夜のシャワー。全開にすると朧が流れていく。
そして、あれあれ!娘も・・・・
朧夜のホラーのような句では?
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春眠や横に日記と血圧計    朱露

2011年04月13日 | Weblog
  「いろいろあるが敢て書かず」、
  というのが四月十二日の日記だ。
  私さえ分かればいいわけだから。
  血圧は計らないことに趣がある。

          


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