575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

病床の母のくぐもる初電話    麗

2015年02月12日 | Weblog
母が去年の12月から圧迫骨折で緊急入院。
昨日は82歳の誕生日でした。病室で誕生日を迎えることとなり、なんとか励ましたくて日帰りで大阪まで見舞いに行って来ました。
骨折の方はよくなってきているのですが、環境が変わったことからくる認知症か、表情が硬くなり、食欲もなくすべての興味がなくなったしまったようでした。
あんなにおしゃべりが好きで笑い上戸の母が、ほとんど笑わなくなってしまったのが残念です。
後ろ髪を引かれる思いで帰宅しました。元旦に初電話したときも声に元気がなかったのですが、今は電話もかかってこなくなってしまいました。

幼子をさとすように話しかけて別れ際に「また来るからね!」といいましたが、いつものようには手をふってくれませんでした。

     春立つを知ることもなく虚空みる   麗
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如月のお題は「椿」さまざまな人のこころに咲く花を待つ   遅足

2015年02月11日 | Weblog
時が流れるのは早いものです。句会が近づいてきました。
今回の題詠は「椿」です。
5年前にも椿がお題でした。

  寒椿口笛パリの屋根の下

朱露さんの句です。お元気でしょうか?
もう俳句はつくっていらっしゃらないかな?
ちょっと毒を含んだ評が懐かしく思いだされます。
  
  椿赤し蕾咲かせてゆく遊び   片山由美子

蕾の花びらを、はずれないように一枚ずつ反らせて花の形にしてゆく。
そんな子供の遊びがあったそうです。

締め切りは15日(日)です。

           

応答の一日一句

  春立つや焦げ付きの鍋磨きあげ   隆

  春立つや黄身こんもりと生卵    亜子




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宗匠・中日歌壇に登場   鳥野

2015年02月10日 | Weblog
待っていました。ご多忙とは分かっているものの
中日歌壇のページに、登場がないと、寂しいので
す。

さて、2月8日付けの紙面に載った作品は、

 ・ 大空はからっぽゆえに青深し魂たちの
   たどり着く岸

壮大で繊細。宗匠ならではの界です。

選者、小島ゆかりの評 <空の青さと深さが不
可視の存在を意識させる「岸」に不思議な魅力>

願わくば当方の魂も、たどり着く岸をいち早く
見つけられますように。
                鳥野
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初化粧隠したき事多くなり   すみ

2015年02月09日 | Weblog
初化粧。初鏡とも。
女性にとっては、その年最初の身だしなみです。

改めて鏡の中のをよく見ると・・・
様々なモノが見えてきます。
一年の間にコンナに増えたモノも。
それとともに思いだすコトもあれこれと。

他人に隠すだけではなく、自分にも隠しておきたいコト。
お目出度いはずの初鏡に曇りが・・・

年齢を重ねることはマイナスばかりではありません。
欠点と思っていたことも、そんなには気にならなくなります。
ひとりの老人の死は、一つの図書館の消滅に等しい。
そんなことわざがあるそうです。
図書館のような顔。渋くて良いかもしれません。

最近はお化粧をする男性もふえているとか。
男が初化粧を詠むと、どんな句が生れるんでしょうか?(遅足)

       今日はです。

応答の一日一句

  旅宿の雪見灯篭ほの明り    孝

  雪やんで雪見灯篭眩しかり   亜子

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初富士がランナー越しにそびえ立つ   麗子

2015年02月08日 | Weblog
初富士。元日に見える富士は、どこか神々しい感じが。
英語では、gazing at Mount Fuji on New Year's day
さまざまな場所から詠まれています。

  初富士の見えはじめたる空の旅   稲畑汀子

初日の出は富士山と一緒に雲の上から。飛行機からの富士。

  初富士や一都二県の隔たりに  大平芳江

遠くに富士を。小さな富士ですが、改めてその姿を。
昔は江戸から望む富士を初富士といったそうです。

作者の見たのはテレビのなかの富士。
この新春、駅伝にはまりました。
初めて最初から最後まで見て涙。富士山がきれいでした、と。

  初富士や走者に風の容赦なく  鶴見董子

             

応答の一日一句

  幼児(おさなご)の並ぶ氷の滑り台  孝

  あら迅し雪と氷の滑り台       亜子

今朝は雨。だんだん春が近づいてきます。 遅足



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完璧な初夢なので出られない   遅足

2015年02月07日 | Weblog
吉野弘さんが「祝婚歌」の中にこんな一節があります。

  完璧をめざさないほうがいい

  完璧なんて不自然なことだと
  うそぶいているほうがいい
  二人のうち どちらかが
  ふざけているほうがいい
  ずっこけているほうがいい

一富士、二鷹、三茄子。
三つ揃いの夢なら完璧でしょうか。
いやいやそんな夢は窮屈ですね。

船団のえなみドクターがこんなコメントを下さいました。

わたしは時々、夢日記をつけるのですが、
夢の中で、これは夢だ、と分かってしまう。
この句みたいな感じは分かります。何が
「でられない」のか。なぜ「でられない」のか。
「完璧な」の上5も夢の不思議を伝えてくれます。

            

応答の一日一句

  感嘆の異口同音や雪まつり    孝

  吾に似し少女に会ひぬ雪まつり  亜子




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咲き初むる蠟梅に顔寄せにけり   佐保子

2015年02月06日 | Weblog
蠟梅(ろうばい)。江戸時代に中国から。
寒さの一番きつい冬、春にさきがけて咲く花。
葉に先立って六弁の蝋のような半透明の黄色。
蝋のような花は温かさを感じさせます。
たおやかな花びらのはかなさ。

顔を近づければ、甘く上品な匂い。
目をつむれば、春が来てるような。
身も心も一瞬の春を楽しんでいます。
一幅の絵のような句です。

         

応答の一日一句

  雪道に足取られたり北の旅   孝

  一瞬の夫の転倒雪まつり    亜子

すっかり光の春。出掛ける機会も増えます。
転倒には気をつけましょう。
と言っても・・・転ぶんですよね。
                 遅足

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椿探して     麗

2015年02月05日 | Weblog
節分の日。明るい日差しに誘われて郁子さんを誘ってお散歩に。澄み切った青い空が気持ちを晴れ晴れとさせてくれました。
グリーンピア春日井の一角に椿園があることを発見。来月のお題に備えて散策することにしました。
さまざまな名前の椿の木がありましたが、まだまだ開花は先のようで固いつぼみが多かったです。

郁子さんと「確か何年か前の句会の兼題が椿だったよね。」とおしゃべりし、帰宅してから俳句手帳を見ると
なんと!2009年の新年会のお題でした。
あれからもう6年!。椿の句を作ったことは覚えていましたが
はてさてどんな俳句だったか?

    春を待つ乙女椿の蕾たち   麗

甘い香りのロウバイとほころび始めた紅梅、ファーのような蕾をたくさんつけた白木蓮など早春を味わえたお散歩でした。
郁子さんおつきあいくださりありがとうございました。
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小さき手とニューシューズ履き初詣    立雄

2015年02月04日 | Weblog
作者は緑内障から数年前に失明。
根っからの小説好き。
今も、声の図書館から本を借り出して読書三昧。
そんな作者にとって初詣は大きな楽しみ。
新しい靴を買って待っていました。
孫の小さな手をとって出かけます。

ちさき手と、の上五に思いが込められています。

今日は立春。日射しには春が感じられますが、まだまだ寒い。
昨日は寒波の鬼を追い払って豆をまきました。
はやく暖かくなれ。

             

応答の一日一句

  寄せ鍋の卓の片隅置き薬    孝

  寄せ鍋やほろ苦き幸紛れゐて  亜子

鍋の季節ですね。美味しいカニ鍋。しかし蟹は高値。
なかなか食べられません。
                   遅足

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鬼も内    鳥野

2015年02月03日 | Weblog
市バスの車内に節分のお寺を結ぶ、特別運行の
案内が出ていました。
デパートやスーパーマーケットの店頭はかなり
前から、鬼の面やら炒り豆やらで、賑やかです。

<この世にはどうやらオニというものがいて、
悪さをするらしい。ならば、春の始まる日の
前に退治をしておこう>というのが魂胆か。
古くは、追儺として宮中の年中行事。次第に
民間に広まったものといいます。

鬼の悪行ばかりを上げ募るのではなく、その
言い分も聞こうと、<福は内 鬼も内>と呼
び掛けたのは、吉野山の金峯山寺。こうして
始まったオニの宴。鬼火の祭典はいまも花灯
火に照らされた境内で行われています。宴席
に出る酒の銘は確か、酒呑童子。

 ・ 豆に追われし鬼ども集い宴する金峯山寺の
   灯は明かからん

 ・ 酒呑童子の旨酒に酔う山の夜 鬼よ訪い来
   よ連れ立ち行かな
                  鳥野
                 
                 


                  




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お隣も向ひも独居初あかり   静荷

2015年02月02日 | Weblog
お正月ぐらいはと、明るく灯した部屋。
身に沁みます、と鳥野さん。

初明りで詠みたいと、作者。
向こう三軒両隣は?と、考えたら、出来た句だそうです。
そういえば独り暮らしの女性ばかり・・・
しかし皆さん元気。今年も健康に。

この句の中には2つの時間が詠まれています。
循環する時間。四季の時間。
そして一直線にすすみ、後戻りのできない時間。
この両方をあわせて、時間は螺旋を描いてすすむのでしょうか。

元日の朝、日の出前の東の空が明るく明けてくる。
初明りと言う季語が良く効いています。

                

応答の一日一句

  わが歳の数を拾えぬ鬼やらい    孝

  かなしみの鬼の背中や豆はやす   亜子

明日は節分、あさっては立春です。しかし寒い。遅足



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平和とは辛抱のこと梅白し      遅足

2015年02月01日 | Weblog
平和とは辛抱と我慢、とは、あるフランス文学者の言葉。
人質となっていた後藤さんが殺されたというニュース。
これをみて、平和とは辛抱という言葉を思い出しました。

イスラム国は日本政府、安倍さんはイスラム国の敵と非難。
安倍さんは、国際社会と連携を強め、償いをさせると、
強い姿勢を強調しました。

私の中にも安倍さんと同じ気持ちがあります。
決してイスラム国の残忍な行いを許せません。
目には目を。償いはさせたい、と。強い姿勢で臨みたい。

しかし、それでは彼らの言う悪夢の始まり。
戦いの連鎖は断ち切れないという思いも。

ここはじっと我慢と辛抱、と言った渡邊さん。
おそらく日中戦争など15年におよぶ戦争が、
威勢のいい元気な言葉によって後押しされたという
苦い体験によるものでしょう。

冷静に事態を考える必要がありそうです。

70年、戦争を行わなかった日本国民。
戦争で亡くなった沢山の人々の気持ちに思いを馳せて、
平和をどう守っていくのか?
考え抜いて到達した言葉が、平和とは辛抱。

9条の精神を日本国民が血と肉に出来るのか?
試練の曲がり角に立っている思いです。

若者より辛抱と我慢が出来る老人。
老人力が試されているようです。

殺された後藤さんは、どの道を望んでいるのでしょうか?
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