575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

陽だまりの底を啄む初雀   遅足

2016年01月16日 | Weblog
寒い朝。お日様が昇れば、雀たちが庭に。
まるで空から落ちてくるように急降下。
一羽、二羽、また一羽・・・

枯れた紫蘇の実を食べていたこともありました。
今は、しきりに土を啄んでいるように見えます。
きっと、なにかの実が落ちているのでしょう。

冬の間は群れで暮らしている雀たち。
春が近づいてくると、ペアーになって子育てに。
以前は、もっと雀が多かったような気がします。
雛が一人前になるまで危険が一杯。
とくに鴉には要注意です。

         

ゴミの出し方が粗雑だと鴉を呼び寄せることに。
人間にも一端の責任があるかも知れません。
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冬の虹連れて鈴鹿を越えにけり  遅足

2016年01月15日 | Weblog
冬の京都へ行ってきました。
今回、訪れたのは、京都霊山護国神社。
明治維新を目前にして倒れた志士たちを祀った神社。
坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像もあります。
想像していたよりも、小さく好感が持てました。
お墓がずらりと山腹に並んでいますが、
ほとんどが久坂玄瑞や高杉晋作ら長州藩の志士たち。

境内には、特攻隊の若者を慰霊する碑もありました。
特攻隊で、3800人余りの若者が命を落しています。
このうち7割が学徒兵でした。
なぜ特攻に、専門の教育を受けた士官などが行かなかったのか?
作家の保坂正康さんの永年の疑問でした。

ある元参謀は、こう答えたそうです。
一人の軍人を育てるのに、一体幾らのお金がかかるのか?
国のお金で育てた軍人を、どうして特攻で死なせることが出来る?と。
軍事優先の人間の序列化が徹底すると、
軍事的に価値のない者から死んでいけ、となる。
これが日本軍国主義の特徴だった、哀しい結論です。

写真は、ここからの京都の眺めです。
150年前とは違って平和な暮らしが始まっていました。

句は鈴鹿峠に向かう時に現れた虹を詠んだものです。



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歌会始     麗

2016年01月14日 | Weblog
今朝、新春恒例の歌会始がテレビで放送されました。600年の歴史がある宮中歌会始の儀。
室町時代から行われているそうです。
明治になって一般の人も参加するようになり、今のように入選者が参列する形は昭和25年からだとのこと。

今年のお題は「人」でした。
今年は1万8962首の歌が寄せられたそうで、アメリカ、ブラジル、カナダなど海外からも多くの応募があったそうです。

入選者10人の中で最年少の男子高校1年生の歌。

       日焼けした背中の色がさめる頃友達四人の距離変化する



うまいな~。私も去年に引き続き提出しました。

      別れ際要介護2の母親に抱きしめられて人の子となる   麗

来年のお題は「野」と決まりました。
来年もがんばります。でもその前に初句会の冬座敷の俳句を作らねば。

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初句会近づく   遅足

2016年01月12日 | Weblog
今年、最初の句会の題詠は「冬座敷」です。
畳のない家も登場している現代社会。
座敷のないお宅があるかも知れませんね。

父の家には、座敷がありました。
襖や障子で仕切られた八畳の間です。
床の間には父の趣味の掛け軸。
来客がある時は、母が池坊のお花を。
来客があったという記憶は、余りありませんが・・・

  永仁の壺というもの冬座敷

戦後まもない頃、永仁二年の銘のある壺が重要文化財に。
永仁といえば鎌倉時代。ところが、これが真っ赤な偽物。
つくったのは瀬戸の巨匠、今はなき加藤藤九郎さん。

話は、これで終わりませんでした。
偽物のにせものを作る人が現れました。
その偽物のにせものの一つが父の家に。
床の間においてあったのを覚えています。
今も座敷のどこかにあるはずです。
鑑定団なら、どんな評価をするのでしょうね?


                 

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喧騒の中運ばれる酢牡蠣かな   狗子

2016年01月11日 | Weblog
家庭なら、牡蠣殻を開けるのに手間どってるのか?
店なら、みんなが同時に注文したからの喧騒でしょうか?
と、結宇さん。

きっと忘年会、あるいは新年会の会場でしょう。
あの騒がしさの中を酢牡蠣が運ばれていきます。

肉や魚の生食を嫌うヨーロッパですが、牡蠣は例外的な存在。
フランス料理のオードブルなど生が美味しいとされてきました。

一方、日本では魚は刺身など生で食べてきましたが、
牡蠣は産地以外では生は敬遠されました。
生で食べるようになったのは明治時代以降。
欧米の食文化が入ってきてからとか。

  雑踏をゆく牡蠣提げし右手冷え   佐野美智

          

2歳の男の子が公園で遊んでいました。
小石を手に取って投げる。また投げる。
次は大きな石を手にして土の上に。
同じ仕草を繰り返した飽きることがありません。
自分の体に動作を覚えさせるように・・・
こうして自分の手を創り上げていくのでしょうか。
見ているこちらも飽きることがありませんでした。

575の定型を身につけるには、幾つも幾つも
作り続けることかも。

今日は成人の日です。もう半世紀以上前。
近くの小学校の式典にいきましたが、
引っ越しをして幼馴染はなく、
まったく知った顔はありませんでした。
ちょっと寂しい成人式でした。     遅足



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牡蠣打ちの息子受験日手は止めず   能登

2016年01月10日 | Weblog
牡蠣打ちとは、肉を取り出すために殻を打ち割ること。
また、岩についている牡蠣を手鉤ではぎ取ること。
と、歳時記に。

今回の牡蠣の句のなかで、唯一労働を詠んだものです。
牡蠣打ちは女性の仕事とされてきました。
結婚し、母となった牡蠣割女。
子供の受験日にも手は止めずに、仕事に打ち込んでいます。
とても良い句だと思います。

牡蠣打ちを詠んだ句がいろいろあります。

  牡蠣の殻打割れば潮匂ひたる   波出春弥

  牡蠣打つや島に生れて島に嫁し  佐藤三男

  乳呑ます時は乳の香牡蠣割女   田村劉一郎

              

牡蠣の殻は焼いて粉砕。その粉は「ボレイ」という生薬になるそうです。
また、日本画によく使われる白色の顔料として利用されています。
身も殻も役立っているスグレものですね。

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牡蠣の身は醜悪なりと幼き目    郁子

2016年01月09日 | Weblog
少数派かもしれませんが、私は今でも牡蠣が苦手です(笑)と作者。

この句を読んで、初めて胃カメラを呑んだ時のことを思いだしました。
「えっ!胃の中はこんな風になっているんだ!」
まるで別の生きもの。なにやら軟体動物のようでした。
自分のことは何でも知っている、と確信が揺らぎました。

牡蠣の不思議といえば、牡蠣は性転換をするそうです。
前年のたっぷりと餌を食べた時は雌に。食べられなかった時は雄に。
子孫を増やすための戦略でしょうか?

こうした性転換は、生物界では珍しいことでもないとか。
植物でも栄養状態で性転換をするものがあるそうです。
生きものの世界は不可思議にみちています。

  牡蠣剥くは身ぐるみ剥ぐに似たりけり  瓜人

  牡蠣割女かきは女体の青さもつ  日垣四月子

              

今日も晴れ。これから町内の公園掃除です。
幸い雨に降られたことはありません。    遅足

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ドキュメンタリー映画「厨房男子」     遅足

2016年01月08日 | Weblog
「男子厨房に入るべからず」という時代に育った私。
共働きでの子育てで、少しづつ台所へ。
いまでは、まずまずのうどんをつくれるようになりました。
(はじめは我ながらマズい味でした)

今は「料理大好き」という男性があちこちに。
監督のご主人(この表現はいかなものか?)は、
私が番組を制作する時、効果マンとしてお世話になった方。
退職後はフランス料理のシェフに変身です。

日本料理は一品づつ、穴を深く掘るように味を追及。
フランス料理は全体のハーモニーを目指している、
というシェフの言葉が印象に残っています。

映画では、さまざまな男性が登場。
「料理をすることはこ楽しい」「人間関係はこんなによくなる」という
実例がお団子のように紹介されています。

ナレーションは監督自身。これが良い。
名演劇場で上映中です。是非、ご覧になることをお勧めします。

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七草     麗

2016年01月07日 | Weblog
新年も早七日。今日は七草の日ですね。
スーパーで398円で七草詰め合わせセットを買ってきました。
今夜は無病息災を願って七草かゆを作りましょう。セリには鉄分が、ナズナには利尿効果が、ホコベラにはミネラルが、スズナ・スズシロはジアスターゼが消化を促進するそうです。いわば日本のハーブですね。

昨日はデパートのひな人形売り場をのぞきました。住宅事情からか内裏びなを中心にこぶりのものが増えたような。いつまでたってもおひな様を飾る気持ちは忘れたくないですね。

           初春の人形売り場華やいで    麗
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今日は小寒    遅足

2016年01月06日 | Weblog
小寒の今日から大寒を過ぎるまでが、一年で一番寒い頃です。

日本の暦が大きく変ったのは明治の初期。
朝ドラのなかでも、改暦に触れるセリフがあったと思います。
この改暦で人々の暮しは、大混乱に陥ったということです。
もちろん俳諧の世界も大きな影響を受けました。

「初春といひ梅柳の景物もなく、春といふべからねば、
桃李櫻花も皆夏咲くことになりて、趣向大ちがいとなれり」
という当時の俳人の嘆きは、一世紀以上経った今も変わりません。

  カレンダーに呑み込まれたる旧暦の小骨のごとく残る小寒

我が家のカレンダーには、小寒は記載されていません。
ヨーロッパの暦に呑み込まれた旧暦。
わずかに残っていた小寒も完全に消化されたようです。

           

春のように暖かでしたが、大寒に向かって寒さが戻ってくるとのこと。
風邪などひかれませんように。


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初春の日射しをのせてバスの旅   遅足

2016年01月05日 | Weblog
帰省した息子が見ていた番組が「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」
決められた時間内に、目的地を目指すバスの旅。
どの路線を選ぶかは、出演者に任されています。
途中で乗り継ぐバスがなくて、歩き旅になったり・・・と。
一緒に見ていたら、結構面白い。

そこで、というわけではありませんが、毎日の散歩にバスも利用。
ちょっと遠出と、循環バスを利用して日泰寺へ。

さすがに訪れる人の数はあまり多くありません。
3月のような温かさに、半袖で走り回る子供も。
日泰寺とは日本とタイ国の名をとったもの。
タイから贈られたお釈迦さまの骨を奉安しています。
建立されたのは、明治37(1904)年、100年以上前です。
名古屋の観光おすすめスポットです。

          

今日もあたたかな天気。次はどこへ行ってみようかな?


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羊日(ようじつ)    遅足

2016年01月04日 | Weblog
お正月四日を羊日というそうです。
三が日の間、朝のテレビはお休みでした。

一つ気が付いたことがあります。
朝には朝の音があったということ。
顔をあらう音。食器をそろえる音。
蛇口から水の出る音・・・・。
静かだから聞こえてくる音。
子供時代はこうした音で朝を迎えていました。

      

四日は仕事始め。
お向かいのご主人、車の音を残して出勤。
我が家の朝からテレビの声。ニュースから朝ドラへ。

  羊日や朝のドラマの戻りくる

羊日は中国から輸入されたもの。
一日は鶏。二日目は犬。三日目が豚。
そして羊日は四日目。五日が牛。六日の馬。
七日目が人、人日というそうです。


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買初めの監視カメラのなかに入る   遅足

2016年01月03日 | Weblog
正月二日に買い物をすることを「買初め」と言います。
福袋を買い求める姿をテレビで見ました。
その多くは女性。一人でいくつもの福袋を買って・・・
その場で交換している人たちも。
幸せそうな顔は微笑ましい。
福袋セールは、何時頃から誰が始めたものでしょう?
在庫処分の商品に「福袋」と名付けた商売人は。

私もコンビニでパンを初買い。
店を出てから、あの四分割の画面を思いだしました。

 死角なき監視カメラや去年今年  

          

監視カメラといえば、我が町内でも話題に。
ごみを狙ったカラスの群れに悩まされています。
最近、その数を増してきました。
そこで、乱雑なごみ出しを監視しようというもの。
しかしカメラを買う予算がなくて立ち消え・・・
これで、よかったのか、悪かったのか?
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かぜがふき いとがかちりと たこあげだ  雪乃

2016年01月02日 | Weblog
年賀状のなかに俳句を詠んだものが一通。
奥さんの友人Kさんのお孫さん。
小学校2年生の雪乃さんの句です。
凧をあげようと、糸を繰り出していきます。
やがて風をはらみ、ピンと糸が張ります。
その時の手ごたえを見事に捉えてました。

元日は、近所の伊勝八幡宮に初詣。
例年よりの初詣の出足は良いようです。
その後、散歩していたら大学の芝生広場で凧揚げ。
幼い子とお父さんがゲイラカイトを揚げていました。

        

元日の太平洋側は晴天に恵まれました。
ニュースでも初日の出が紹介されていました。
テレビから一句。

  東京を統(す)ぶる搭より初日の出  遅足

雪乃さんには負けています。


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新年明けましておめでとうございます。   遅足

2016年01月01日 | Weblog
旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。

今年は申年。写真は東山動物園のオランウータン。
いつ行っても、ご覧のように寝っ転がって、思案中。
森の哲人と呼ばれる所以でしょうか。

古代ギリシャの哲学者・ディオゲネス。
かのアレクサンダー大王が「何か希望はないか」と聞くと、
「あなたがそこに立たれると、日陰になるからどいてください」
とだけ言ったとか。有名なエピソードを思い出させてくれます。

野生のオランウータンは、のんびりなどしていないそうです。
しかも、森が失われるとともに急激に減少。絶滅危惧種に。
遠くの親戚に思いを馳せているのかも・・・

          

目が覚めたら、真っ青な空。初日の出はとっくに昇ったあと。
ワインで「おめでとう」の挨拶。お雑煮を楽しみました。
ふと見ると、カレンダーにお日様が昇っています。

  初日の出カレンダーにて拝しけり 




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