【まくら】
狐は本当に人間を化かすものであると信じて疑わなかった江戸時代から明治時代にかけて、狐をテーマにした落語が多く作られた。
それがすべて実感をもって受け入れられていたのである。
現代のように、荒唐無稽な噺の一つとは考えられていなかった。
だから、この噺のおかしさは、人間が狐をだますとう通常とあべこべのことをするところにある。
上方の「高倉狐」を、江戸に持ってきて場所を王子に変えたものだといわれている。
人を化かすと言われる狐がかえって人に化かされる顛末を描く。
結末は一種の考え落ち。
出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』
【あらすじ】
王子稲荷(東京都北区王子)の狐は、昔から人を化かすことで有名だった。
ある男、王子稲荷に参詣した帰り道、一匹の狐が美女に化けるところを見かける。どうやらこれから人を化かそうという腹らしい。
そこで男、『ここは一つ、化かされた振りをしてやれ』と、大胆にも狐に声をかけた。
「お玉ちゃん、俺だよ。よければ、そこの店で食事でも」と知り合いのふりをすると「あら熊さん、お久しぶり」とカモを見付けたと思った狐も合わせてくる。
かくして近くの料理屋・扇屋に上がり込んだ二人、油揚げならぬ天ぷらなどを注文し、差しつ差されつやっていると、狐のお玉ちゃんはすっかり酔いつぶれ、すやすやと眠ってしまった。
そこで男、土産に卵焼きまで包ませ、「勘定は女が払う」と言い残すや、図々しい奴で狐を置いてさっさと帰ってしまう。
しばらくして、店の者に起こされたお玉ちゃん、男が帰ってしまったと聞いて驚いた。
びっくりしたあまり、耳がピンと立ち、尻尾がにゅっと生える始末。正体露見に今度は店の者が驚いて狐を追いかけ回し、狐はほうほうの体で逃げ出した。
狐を化かした男、友人に吹聴するが「ひどいことをしたもんだ。
狐は執念深いぞ」と脅かされ、青くなって翌日、王子まで詫びにやってくる。
巣穴とおぼしきあたりで遊んでいた子狐に「昨日は悪いことをした。
謝っといてくれ」と手土産を言付けた。
穴の中では痛い目にあった母狐がうんうん唸っている。
子狐、「今、人間がきて、謝りながらこれを置いていった」と母狐に手土産を渡す。
警戒しながら開けてみると、中身は美味そうなぼた餅。
子狐「母ちゃん、美味しそうだよ。食べてもいいかい?」
母狐「いけないよ!馬の糞かもしれない」
出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』
【オチ・サゲ】考え落ち(パッと聞いたところではよく分からないがその後よく考えると笑えてくるもの )
【語句豆辞典】
【王子】京浜東北線王子駅付近で、昔は農村だった。この噺の舞台の王子稲荷は有名。
【稲叢】(いなむら)刈り取った稲を積み重ねたもの。
【早幕】芝居用語で、幕間が短くすぐに開くこと。転じて急いでの意味に使われる。
【采配】厚紙を細く切って作った房を、柄につけたもの。昔武将が指揮を取るために使った。それに形が似ているので、掃除に使うはたきもこう呼んだ。
【この噺を得意とした落語家】
・五代目古今亭志ん生
・八代目春風亭柳枝
・十代目金原亭馬生
【落語豆知識】 いろもの
落語・講談以外の寄席の演芸。まねき(寄席の入り口に掲げられる芸名を書いた看板)等で朱文字を使った事による。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/fd/4b90a9e10c650546e478a72d64b698ce.gif)
狐は本当に人間を化かすものであると信じて疑わなかった江戸時代から明治時代にかけて、狐をテーマにした落語が多く作られた。
それがすべて実感をもって受け入れられていたのである。
現代のように、荒唐無稽な噺の一つとは考えられていなかった。
だから、この噺のおかしさは、人間が狐をだますとう通常とあべこべのことをするところにある。
上方の「高倉狐」を、江戸に持ってきて場所を王子に変えたものだといわれている。
人を化かすと言われる狐がかえって人に化かされる顛末を描く。
結末は一種の考え落ち。
出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』
【あらすじ】
王子稲荷(東京都北区王子)の狐は、昔から人を化かすことで有名だった。
ある男、王子稲荷に参詣した帰り道、一匹の狐が美女に化けるところを見かける。どうやらこれから人を化かそうという腹らしい。
そこで男、『ここは一つ、化かされた振りをしてやれ』と、大胆にも狐に声をかけた。
「お玉ちゃん、俺だよ。よければ、そこの店で食事でも」と知り合いのふりをすると「あら熊さん、お久しぶり」とカモを見付けたと思った狐も合わせてくる。
かくして近くの料理屋・扇屋に上がり込んだ二人、油揚げならぬ天ぷらなどを注文し、差しつ差されつやっていると、狐のお玉ちゃんはすっかり酔いつぶれ、すやすやと眠ってしまった。
そこで男、土産に卵焼きまで包ませ、「勘定は女が払う」と言い残すや、図々しい奴で狐を置いてさっさと帰ってしまう。
しばらくして、店の者に起こされたお玉ちゃん、男が帰ってしまったと聞いて驚いた。
びっくりしたあまり、耳がピンと立ち、尻尾がにゅっと生える始末。正体露見に今度は店の者が驚いて狐を追いかけ回し、狐はほうほうの体で逃げ出した。
狐を化かした男、友人に吹聴するが「ひどいことをしたもんだ。
狐は執念深いぞ」と脅かされ、青くなって翌日、王子まで詫びにやってくる。
巣穴とおぼしきあたりで遊んでいた子狐に「昨日は悪いことをした。
謝っといてくれ」と手土産を言付けた。
穴の中では痛い目にあった母狐がうんうん唸っている。
子狐、「今、人間がきて、謝りながらこれを置いていった」と母狐に手土産を渡す。
警戒しながら開けてみると、中身は美味そうなぼた餅。
子狐「母ちゃん、美味しそうだよ。食べてもいいかい?」
母狐「いけないよ!馬の糞かもしれない」
出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』
【オチ・サゲ】考え落ち(パッと聞いたところではよく分からないがその後よく考えると笑えてくるもの )
【語句豆辞典】
【王子】京浜東北線王子駅付近で、昔は農村だった。この噺の舞台の王子稲荷は有名。
【稲叢】(いなむら)刈り取った稲を積み重ねたもの。
【早幕】芝居用語で、幕間が短くすぐに開くこと。転じて急いでの意味に使われる。
【采配】厚紙を細く切って作った房を、柄につけたもの。昔武将が指揮を取るために使った。それに形が似ているので、掃除に使うはたきもこう呼んだ。
【この噺を得意とした落語家】
・五代目古今亭志ん生
・八代目春風亭柳枝
・十代目金原亭馬生
【落語豆知識】 いろもの
落語・講談以外の寄席の演芸。まねき(寄席の入り口に掲げられる芸名を書いた看板)等で朱文字を使った事による。
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