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【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
中国内陸部の国有林に派遣された誇り高き傷痍軍人・李(リー)狗子(ゴウズ)。
国有林監視の仕事をまっとうしようとしていた彼を待ちうけていたものは、金力の前にひれ伏す腐敗した権力と状況に流されるだけの「庶民」だった。
対立は深まり、ついには衝撃的な大事件へと発展する。
次々と明らかになるあまりにも残虐で戦慄すべき事件の全貌。
人間・狗子(ゴウズ)はどう生きたのか。人々は何を考えたのか……。
実際に起きた事件をモチーフに現代中国の社会問題を描き、その背後にひそむ人間精神の深淵をえぐる筆致は、目を見張るほどリアルで鮮烈だ。
興奮と感動のるつぼに叩き込まれる現代中国の衝撃作!
中国の社会派人気作家・張平、待望の日本初上陸作品!
【読んだ理由】
ロシア語同時通訳・エッセイストの故米原万理さんの書評を読んで。
【コメント】
「凶犯」とは中国語で、凶悪残忍な罪を犯した人をいう。
「張平の書く小説は、憂き世の憂さを一時でも忘れさてくれる、そんな読みモノではない。中国の抱える政治や社会の矛盾--幹部の腐敗、道義の退廃、貧富の格差の拡大など--に真正面から切り込んでいる。人間の醜さ、弱さ,狂気を容赦なく描きもする。読者は読みながら、この相当重たい現実に向き合い、考え込まなければならない。なのに、多くの読者に読まれている。その理由は、何よりもまず、読んでいて面白いのだ。そして、読み終えたとき、ずしりと何かが心に残る。不思議な暖かさが胸に流れ込む」と、訳者あとがきに在るが、全くそのとおりの小説。一読を是非お奨めしたい。
2000年のベストセラー大賞、金盾文学賞、中国図書賞の三冠を得た『十面埋伏』も是非読んでみたい。

