エビと日本人 (岩波新書)村井 吉敬岩波書店このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
エビフライ、天ぷらなど、一人平均で年に七〇匹。
世界一のエビ消費国・日本は、その九割を輸入に頼っており、エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある。
だが、一体どこでどのように獲られているのか。
インドネシアでトロール船に乗り、台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が、日本とアジアとの知られざる関係を語る。
◆著者◆
1943年千葉県に生まれる。1966年早稲田大学経済学部卒業。専攻は東南アジア社会経済論。現在、上智大学外国語学部教授。同アジア文化研究所所員。
【読んだ理由】
ブログ仲間の「地理の部屋と佐渡島」の紹介記事(エビと日本人Ⅱ)をみて。
【印象に残った一行】
私たちはエビだけでなく、多くの天然資源や食糧を第三世界で買付け、私たちの豊かな生活を享受している。食糧も商品、資本のある者が買うことができると言ってすませるのならば、何も言うべきことはない。しかし、一方で、日本のネコに与えられる魚の缶詰に中味に、シャム湾でとれた新鮮なピルチャード(イワシに似た魚)が使われ、スーパーに大量に陳列されている。また、東南アジアの漁村で、日本製イワシのトマトソース煮の缶詰が、やはり大量に売られている。こういうものを見てしまうと、私は私たちの生活のありよう、私たちと第三世界との関係のありように根本的な疑問を持たずにいられない。
【コメント】
私が子供の頃には滅多に食べることの無かったエビが最近は日常食になった。
その背景が第三世界との関わり・環境問題を含めて本書を読むと良く理解できる。
「エビと日本人Ⅱ」も是非読んでみたい。
倉敷のあるおそばやさんのに掛けられていた額を思い出した。
『食はすべてそのもとをあきらかにし
調理をあやまたず そこのうことなければ
味はいすぐれ
からだを養い 病をもいやし
よく人をつくる』