峠うどん物語(下) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
【一口紹介】
◆内容説明◆
市営斎場の前に建つ、一軒のうどん屋、『峠うどん』。
暖簾をくぐるのは、命の旅立ちを見届けたひとたち――。
『峠うどん』のお手伝いが、わたしは好きだ。どこが。どんなふうに。
自分でも知りたいから、こんなに必死に、汗だくになってバス停まで走ってい るのだ。(上巻より)
空襲から、まだ十数年しかたっていないのに。
一面の焼け野原からせっかくみ んなでがんばって復興したのに、今度は一面の海になってしまって、やり直し……。
それでも、ひとびとはくじ けなかった。(下巻より)
【下巻 あらすじ】
五十年前の大水害の翌日、若いうどん職人が路上でふるまったうどんは、まずくて、おいしくて、希望の味がした。
空襲から、まだ十数年しかたっていないのに。
一面の焼け野原からせっかくみんなでがんばって復興したのに、今度は一面の海になってしまって、やり直し……。
それでも、ひとびとはくじけなかった。
いま一生懸命に生きているひとたちを、あたたかく、そして力強く包み込む――。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
五十年前の大水害の翌日、若いうどん職人が路上でふるまったうどんは、まずくて、おいしくて、希望の味がした。
空襲から、まだ十数年しかたっていないのに。
一面の焼け野原からせっかくみんなでがんばって復興したのに、今度は一面の海になってしまって、やり直し…。
それでも、ひとびとはくじけなかった。
いま一生懸命に生きているひとたちを、あたたかく、そして力強く包み込む―。
極上の物語は、静かに最終章を迎える。いま届けたい希望の物語。
【読んだ理由】
重松清作品
【印象に残った一行】
もちろん、うどんもつゆも、食べてしまえばなくなるものだ。仕上げたときには最高でも、営業時間のおしまいの頃になると風味が飛んでしまい、いつもの味わいになってしまうことだってある。なにより。「今日のうどんは出来がいいから百円増し」「今日はつゆがうまくないかったので百円割引」というわけにはいかない。いつも同じ値段で、同じ味---そんな「毎度おなじみ」をつづけるためには毎日必死でがんばるしかなくて、その必死のがんばりをなかなかわかってもらえないのが「毎度おなじみのツラいとこでもあるし、職人さんのひそかなプライドやほこりの根っこでもある。
【コメント】
おいしいうどんも最後のつゆ一滴まで飲ませるように、最後の最後まで読ませる。