![]() | 麒麟の翼 (特別書き下ろし) |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
【一口紹介】
◆内容説明◆
東野圭吾作家生活25周年特別刊行、第1弾ここから夢に羽ばたいていく、はずだった。
大切な人を守りたい、それだけだった。
誰も信じなくても、自分だけは信じよう――加賀シリーズ最高傑作、書き下ろし!
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかる男に声をかけた巡査が見たのは、胸に刺さったナイフだった。
大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。
◆著者からのメセージ◆
加賀シリーズの前作『新参者』を発表した後、次に書くものについて編集者たちと話し合うことにしました。
自分としては、家族のあり方を問うた『赤い指』と人情を描くことに挑んだ『新参者』の両方の要素を取り入れられればいいな、と贅沢なことを考えていましたが、具体的なアイデアは何ひとつありません。
とりあえず日本橋に行ってみようということになりました。
東京に住んで長いのですが、日本橋をじっくりと眺めたことは一度もなかったからです。
上には悪評高い高速道路が通っていますが、石造の日本橋は、歴史の重みを感じさせる立派な橋でした。
特に装飾の見事さは、ため息が出るほどです。それらを見ているうちに、ふと思いついたことがありました。
この素晴らしい橋の上で人が死んでいたら、しかもそれが殺人事件だったらどうだろう、というものでした。
編集者たちに話したところ、すぐに食いついてきました。
「それ、面白いじゃないですか。どうしてそんなところで殺されたんですか?」
興味津々の顔で尋ねますが、私には答えられません。
なぜそんな場所で殺されたのか? それをこれから考えなきゃいけないわけです。
一体なぜだろう。彼あるいは彼女に何があったんだろう。私は何度も日本橋に足を運びました。そのたびに見上げたのが、橋の中央に設置されている麒麟の像です。繁栄を象徴する架空の動物ですが、この像にはさらにオリジナリティがあります。本来の麒麟にはないはずの翼が付けられているのです。ここから全国に羽ばたいていく、という意味を込めて付けられたそうです。
その由来を知り、二つの言葉が浮かびました。
一つは「希望」、そしてもう一つは「祈り」です。
今回の物語では、その二つの言葉に思いを馳せる人々を描こうと思いました。
帯には、「加賀シリーズ最高傑作」と謳っていることだろうと思います。
その看板に偽りなし、と作者からも一言添えておきます。
『赤い指』と『新参者』を融合させられたのではないか、と手応えを感じています。
【読んだ理由】
久しぶりの東野圭吾作品。
【印象に残った一行】
よくそのことに気づいたね。人は誰でも過ちを犯す。大事なことは、そのこととどう向き合うかだ。逃げたり目をそらしたりしていては、また同じ間違いをする」
【コメント】
324頁の大作だが、一日で読み終えてしまった。
ブログが事件の鍵を握っているとは意外だった。