日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第百十六段

2021年09月07日 | 徒然草を読む


【原文】  
 寺院の号、さらぬ万の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。この比は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。人の名も、目慣めなれぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。

【現代語訳】
 お寺の名前や、その他の様々な物に名前を付けるとき、昔の人は、何も考えずに、ただありのままに、わかりやすく付けたものだ。最近になって、よく考えたのかどうか知らないが、小細工したことを見せつけるように付けた名前は嫌らしい。人の名前にしても、見たことのない珍しい漢字を使っても、まったく意味がない。
 どんなことも、珍しさを追求して、一般的ではないものをありがたがるのは、薄っぺらな教養しかない人が必ずやりそうなことである。 

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2021/09/07)

2021年09月07日 | Daily Vocabulary
27416.take a toll(~を損なう)
Being around someone who complains all the time takes a toll on your mental health. 
27417.factor in(計算に入れる)to include a particular thing in your calculations about how long something will take, how much it will cost etc
We have to factor in many things before making a decision. 
27418.chunk of(たくさんの~)
I visited Kyoto and Osaka, but I spent a big chunk of my time in Tokyo.  
27419.put down(支払う)down to pay part of the total cost of something, so that you can pay the rest later 
I’m thinking about buying a house. How much should I put down
27420.therefore(それゆえに、従って、それによって)as a result of something that has just been mentioned
 I was unable to arrange funds and therefore had to abandon the project.