日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第百十八段

2021年09月21日 | 徒然草を読む


【原文】  
 鯉の羹食ひたる日は、鬢そゝけずとなん。膠にも作るものなれば、粘りたるものにこそ。
 鯉ばかりこそ、御前にても切らるゝものなれば、やんごとなき魚なり。鳥には雉、さうなきものなり。雉・松茸などは、御湯殿の上に懸りたるも苦しからず。その外は、心うき事なり。中宮の御方の御湯殿の上の黒御棚に雁の見えつるを、北山の入道殿の御覧じて、帰らせ給ひて、やがて、御文にて、「かやうのもの、さながら、その姿にて御棚にゐて候ひし事、見慣はず、さまあしき事なり。はかばかしき人のさふらはぬ故ゆゑにこそ」など申されたりけり。

【現代語訳】  
鯉 こくを食べた日は髪の毛がボサボサにならないという。鯉の骨は接着剤の材料になるからネバネバしているのだろうか。
鯉だけは天皇の目の前で調理しても問題ない大変ありがたい魚である。鳥で言えばキジが一番リッチだ。キジやマツタケは皇居の台所にそのままぶら下がっていても見苦しくはない。その他の食材は、汚らわしく見える。ある日、中宮の台所の棚にカリが乗っているのを、お父様の北山入道が見て、帰宅早々、手紙を書いた。「カリのような下手物が、そのままの姿で棚に乗っているのを見たことがない。世間体が悪いことである。一般常識を知っている者が近くにいないからこうなる」と意見した。

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2021/09/21)

2021年09月21日 | Daily Vocabulary
27486.apple polisher(ゴマすり) someone who tries to gain something, become popular etc by praising or helping someone else without being sincere 
He is such an apple polisher. He is always complimenting his boss. 
27487.fortune telling(占い)someone who uses cards or looks at people’s hands in order to tell them what is supposed to happen to them in the future
Here is $100 for the fortune telling
27488.versatile(用途の広い) someone who is versatile has many different skills/having many different uses 
She’s a versatile actress who can sing, dance, and even emcee. 
27489bring up(話題を持ち出す)to mention a subject or start to talk about it 類義語 raise 
It's probably not a good idea to bring up religion when you first meet someone. 
27490.harsh(厳しい)harsh conditions are difficult to live in and very uncomfortable 類義語 severe/severe, cruel, or unkind
He’s getting suspended from school for dying his hair? Isn’t that kind of harsh