日本男道記

ある日本男子の生き様

憲問第十四の四十四

2017年01月31日 | 論語を読む

【漢文】
子路問君子、子曰、脩己以敬、曰如斯而已乎、曰脩己以安人、曰如斯而已乎、曰脩己以安百姓、脩己以安百姓、尭舜其猶病諸。

【書き下し文】
子路(しろ)、君子を問う。子曰わく、己を脩(おさ)めて以(もっ)て敬す。曰わく、斯(か)くの如きのみか。曰わく、己を脩めて以て人を安んず。曰わく、斯くの如きのみか。曰わく、己を脩めて以て百姓(ひゃくせい)を安すんず。己を脩めて以て百姓を安すんずるは、尭舜(ぎょうしゅん)も其れ猶(な)お諸(こ)れを病(や)めり。

【現代語訳】
子路(しろ)が人の上にたつべき人格者について尋ねました、孔子は、
「自ら修養して人々を敬う事だ。」
と答えられました。子路が、
「それだけで良いのですか?」
と尋ねると、孔子は、
「自ら修養して人々を安らかにする事だ。」
と答えられました。子路がさらに、
「それだけで良いのですか?」
と尋ねると、孔子は、
「自ら修養して万人を安らかにする事だ。万人を安らかにする事は聖帝の尭舜(ぎょう・しゅん)でさえ苦労された程だ。」
と答えられました。

【English】
Zi Lu asked about gentlemen. Confucius replied, "They improve themselves respect the others." Zi Lu said, "Is that enough?" Confucius replied, "They improve themselves and make the others be at ease." Zi Lu said, "Is that enough?" Confucius replied, "They improve themselves and make all the people be at ease. To make all the people be at ease, even Yao and Shun struggled to do that."


『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。


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