日本男道記

ある日本男子の生き様

尭曰第二十の一

2019年05月21日 | 論語を読む
【漢文】
尭曰、咨爾舜、天之暦數在爾躬、允執其中、四海困窮、天禄永終、舜亦以命禹、曰、予小子履、敢用玄牡、敢昭告于皇皇后帝、有罪不敢赦、帝臣不蔽、簡在帝心、朕躬有罪、無以萬方、萬方有罪、罪在朕躬、周有大賚、善人是富、雖有周親、不如仁人、百姓有過、在予一人。

【書き下し文】
尭(ぎょう)曰わく、咨(ああ)、爾(なんじ)舜(しゅん)、天の暦数(れきすう)、爾の躬(み)に在り。允(まこと)に其の中(ちゅう)を執(と)れ。四海困窮(しかいこんきゅう)。天禄(てんろく)永く終えん。舜も亦(また)以て禹(う)に命ず。曰わく、予(われ)小子履(り)、敢て玄牡(げんぼ)を用(もっ)て、敢て昭(あきら)かに皇皇后帝(こうこうこうてい)に告(もう)す。罪あるは敢て赦(ゆる)さず、帝臣蔽(かく)さず、簡(えら)ぶこと帝の心に在り。朕(わ)が躬(み)罪あらば、万方を以てすること無けん。万方罪あらば、罪は朕が躬に在らん。周に大賚(たいらい)あり、善人是(これ)富む。周親(しん)ありと雖(いえど)も仁人に如(し)かず。百姓(ひゃくせい)過ち有らば予一人に在らん。

【現代語訳】
尭(ぎょう)が言いました、
「あぁ、舜(しゅん)よ。天命は今やお前の双肩にある(今こそ帝位に就く時だ)。極端な事はせず、程よい中庸を守って世を治めよ。天下の人々は困窮している。天の恵みが永遠に続かん事を願う」
舜もまた禹(う)に帝位を譲る時に同じ事を命じた。
(殷の湯王(とうおう)が言いました、)
「ふつつかな私ですが、黒い牡牛を供物として捧げて、天におわす上帝陛下に謹んで申し上げます。天に罪ある者は決して許しません。天下の賢人は隠さず用いて、陛下の御心にかなうように致します。もし私に罪があったとしても、どうか人々に罰を与えないで下さい。もし人々に罪があったとしたら、どうか私に罰をお与え下さい」
周には多くの天恵があり、人々は豊かであった。
(周の武王(ぶおう)が言いました、)
「私には多くの親族がいるが、仁の心を持った人物にはかなわない。もし人々に罪があったとしたら、それは全て私の罪だ」

【English】
Yao said, "Oh, Shun. Heaven's will rests on you shoulders now. You must choose in moderation. The world are in great difficulty. May the blessing of heaven be upon you forever." Shun also said this word to Yu. King Tang said, "I, your humble servant, declare to the emperor of heaven with sacrificing a black bull. I never forgive sinners. I pick out vassals without covering to obey your will. Even if I had a sin, please do not punish the people. If the people had sins, please punish me on behalf of them." The Zhou Dynasty had a lot of blessing. The people are wealthy. King Wu said, "A benevolent person is superior to my relatives. If the people had sins, those are my faults

読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。


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