四国五郎、反戦の「原点」 シベリア抑留など描いた40点 来月から新宿で企画展 「おこりじぞう」原画も /東京
毎日新聞2019年9月28日 地方版
第二次世界大戦後に旧ソ連でのシベリア抑留を経験し、帰国後は広島で反戦・反核を訴える絵画を数多く残した四国五郎(1924~2014年)の作品を集めた企画展が10月1日、平和祈念展示資料館(新宿区西新宿2)で始まる。入館無料。12月27日まで。
企画展では、寒さと飢え、重労働で最も多くの人が亡くなったとされるシベリア抑留の最初の冬を描いた「フルムリ地区207分所 1946年2月伐採作業」など、帰国から約半世紀後に描いた油絵や抑留当時に残した鉛筆のデッサンを展示。さらに、「おこりじぞう」の表紙原画や挿絵など原爆を描いたものも含めた絵画約40点を、11月10日までと12日からの前・後期に分けて展示する。四国が自身の抑留体験を記した「わが青春の記録」や、その基になった「豆日記」などの資料約20点も展示する。
同館の田中晴久学芸員によると、四国は抑留中、本格的に絵画を勉強した。91年に戦友の墓参のため現地を再訪したのをきっかけに、抑留について描き始めたという。田中さんは「画家としての原点であるシベリアを描いた絵画を見てほしい」と話している。
企画展「四國五郎展」
生涯をかけて描き続けた平和へのメッセージ。
近年、注目を集めている画家、四國五郎(1924-2014)。
彼は、3年間のシベリア抑留を経験しました。栄養失調と酷寒のなかでの重労働で体を壊しますが、療養中の病院で得意な絵が認められ、壁新聞や雑誌の表紙、挿絵に腕を振るいます。
1948年に帰国後、広島に復員し弟の被爆死を知り、これをきっかけに、平和を望む彼の創作活動が始まります。
記憶が薄れないうちにと描いた1000ページにも及ぶ「わが青春の記録」。原爆詩人の峠三吉との共作「辻詩」。平和を祈念する数々の「母子像」。さらに、67歳にして参加したシベリア墓参・慰霊の旅を契機に描き始めたシベリア抑留の油彩や水彩など、生涯にわたって平和のための創作活動に命を燃やし続けました。
※11月11日(月)の休館日に、一部展示替えを行います。
日 時 |
2019年10月1日(火)~12月27日(金) |
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会 場 |
平和祈念展示資料館 企画展示コーナー |
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