Pale Blue Eyes - Velvet Underground // Perfect Days Edit
都内の公園内の公共トイレを清掃することを仕事にしている初老に差し掛かっている男、平山の日々を描く映画。彼はスカイツリーが見える長屋に一人で住んでいる。
何ときっちり仕事をする人間なんだ。誰も見ていない、誰のチエックもない。しかし彼は彼の仕事を隅から隅まで完全にやり上げる。全くの当然の我が身のおこないとして。
朝の缶コーヒーも昼のコンビニのサンドイッチも 行きつけの銭湯も 風呂上がりで行く上野の地下の居酒屋の一杯も 毎日全く判で押したように同じ。そういう毎日。
人は群れの動物だが 人間としてはただの群れの一員だけでは生きていない。彼は彼なりの好き嫌いや していいことや してはいけないことの物差しを持って生きる。
それを持っている個だけが 動物ではなく人間として生きる。 彼には口をきいたことはないが目で挨拶する同じ時空を共有する知り合いが何人もいる。
平山は毎日公園の木を見あげる。木漏れ日があるとフィルムカメラを取り出してそれを撮る。その時の彼の嬉しそうな表情が何とも言えない。
(私も時々同じことをしてブログにアップするので驚き嬉しかった。)
彼は自分の毎日の生活の中で 小説やエッセイの読書の時間を欠かさない。そして車に乗っている間 ずっとカセットテープで英米の懐しい曲を聞く。
少しずつ彼の個人史が明らかになっていく。
生きていく中で彼は自分と誰かを比べるということは全くない。そして彼は彼の日々を今日も他の誰でもない平山として生きていく。
映画を見終わったとき 映画の題名の意味が分かったような気がした。
映画は隅田川にかかる高速道路を俯瞰したドローン画面で捉えた平山の軽四輪が走る場面が何回も出てくる。
阿智胡地亭が暮らしている中で見たり歩いたりするエリアにも重なるが、高速道路の上空からの
東京の東部のあちらこちらの街並みのシーンは初めて見るアングルが新鮮だった。
映画を見た日比谷のTOHOシネマズシャンテは既に一日一回だけの上映になっていたが それでも20人ほど観客がいた。
ブログ「 神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)」(click) さんのこの映画のエントリーを見てあっそうだと慌ててネットで上映館を探して見ることが出来た。
見るつもりでいた映画だったのに うっかり見過ごすところだった。
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映画コムサイトから引用
解説
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、
東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、
役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。
昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。
そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。
そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、
東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。
共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、
人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞。また、第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。
2023年製作/124分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年12月22日
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映画『PERFECT DAYS』役所広司演じる“平山”のカセットテープコレクション【劇中曲リスト】
【こんなふうに生きていけたなら】映画『PERFECT DAYS』PLAYLIST
全ての歌詞の和訳はこちら。
⇒映画「PERFECT DAYS」平山のカセットテープコレクション | 自ら学ぶ力を育てるための情報を更新 | 名古屋で自己学習力を高める塾をお探しなら寺子屋塾
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「PERFECT DAYS」 撮影地19箇所、映画ストーリーをそのまま再現: フィルム写真とThe Tokyo Toiletプロジェクト
この映画は言われる通り いろんなものが見えてく
る映画ですね。この映画の主演は役所しか考えられ
ず、また脇の俳優さんも皆 今の時代の日本人をさり
げなく現して、見て良かった映画だと思いました。
この映画は視点を変えるたびに違ったものが見えてきて何度でも繰り返し見られます
HDDに保存したのでまた違った視点の記事を書きたいと思っています
しかし豊かな経験を経た阿智胡地亭さまの記事はさすが逸品ですね
引きづりこまれます、まさにPERFECTです。