毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




昨日からきいているリンデ・コンソートによる「ブランデンブルク協奏曲集」。今日きくのは第2番で、独奏者は、トランペットがフリーデマン・インマー、リコーダーがハンス・マルティン・リンデ、オーボエがレナーテ・ヒルデブラント、ヴァイオリンがヘルベルト・ヘーファーです。録音当時(1981年)、ヒルデブラントは29歳、インマーは33歳と、あたりまえですが「若いっ!」。

CD : 7243 5 61154 2 2(Virgin classics)

7243 5 61154 2 2

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一昨日あたりから、今週はなにをきこうか、あれこれ思いめぐらせていました。いくつか候補があったなかで選んだのは、ハンス・マルティン・リンデとリンデ・コンソートによる「ブランデンブルク協奏曲集」です。リンデは、1930年生まれのドイツのリコーダーおよびフルート奏者、指揮者で、歌手としての録音もあります。1960年代から1970年代にかけて、いわゆる古楽の復興に貢献し、多数の録音をのこしています。今週きいていく「ブランデンブルク協奏曲集」は、みずからの名を冠したリンデ・コンソートをひきいての録音(1981年)。収録順は、第5番と第6番が入れ替わっている(収録時間のつごうと思われます)ほかは番号順です。

「ブランデンブルク協奏曲集」のさまざまな録音について言及されるとき、リンデたちの録音がひきあいにだされることはほとんどありません。トランペットのフリーデマン・インマーのほかは、とくに有名な独奏者がいないこともあるのでしょう。また、そのまえにグスタフ・レオンハルトたちのすぐれた録音、すぐあとに、トン・コープマン、トレヴァー・ピノック、クリストファー・ホグウッドといった著名な面々の録音があるために、影が薄くなっているのかもしれません。なににせよ派手なところがないため、ほとんど言及されない録音ですが、これからきく第1番(BWV1046)をふくめ、(当時の)若手・中堅奏者を集めて手堅い演奏をきかせてくれます。

CD : 7243 5 61154 2 2(Virgin classics)

7243 5 61154 2 2

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これから、トン・コープマンたちの演奏できく「われ悩める人、われをこの死の体より」は、三位一体節後第19日曜日のためのカンタータ(初演は1723年10月3日)。このBWV48は全7曲中、第1曲ではトランペットとオーボエがコラール旋律を奏し、第3曲と第4曲が4声体コラール(ただし原コラールはことなります)。いわゆるコラール・カンタータ(1724年から1725年にかけて上演)を思わせる構成をとっています。

CD : WPCS-10344/6(ワーナーミュージック・ジャパン)

WPCS-10344/6

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月曜日から収録順にきいてきたアマンディーヌ・ベイェの「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」。収録順は変則的でしたが、おしまいは番号どおりでパルティータ第3番です。このBWV1006はプレルーディオに導かれ、ルール―ガヴォット・アン・ロンドー―メヌエット―ブーレー―ジーグと、いずれもフランス語表記の舞曲が続きます。これまできいてきたソナタやパルティータと同じく、ベイェの演奏は奇をてらったところがなく、自然体というか、悠然したものです。2010/2011年の録音も豊かに残響をとりこんだもので、演奏にあったものといえるかもしれません(ちょっとノイズをひろっているようですが)。なお、ベイェのヴァイオリンはピエール・ジャキエの1996年製、弓はエドアルド・ゴルの2000年製です。

CD : ZZT110902(Zig Zag Territoires)

ZZT110902

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アマンディーヌ・ベイェによる「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」(2010/2011年録音)。今週はその録音から収録順に、パルティータ第1番、ソナタ第2番、パルティータ第2番、ソナタ第3番ときいてきました。今日これからきくのはソナタ第1番(BWV1001)で、その構成はアダージョ―フーガ(アレグロ)―シチリアーナ―プレストという、これまでのソナタと同じ4楽章です。

CD : ZZT110902(Zig Zag Territoires)

ZZT110902

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今週きいているのは、アマンディーヌ・ベイェによる「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」。収録順にきいているため、月曜日にパルティータ第1番、火曜日にソナタ第2番、水曜日にパルティータ第2番と、変則的な順番になっています。これからきくのはソナタ第3番(BWV1005)で、ほかのソナタと同じく4楽章構成です(アダージョ―フーガ―ラルゴ―アレグロ・アッサイ)。

CD : ZZT110902(Zig Zag Territoires)

ZZT110902

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ロ短調ミサ曲における注目すべき演奏実践」で紹介した、YouTubeのチャンネルAVRO Klassiekの演奏会動画。そのときはふれませんでしたが、それらの演奏会にはどれも日本人が名をつらねていて、ベルダーではヴァイオリンの山縣さゆり、ギエルミではヴァイオリンの平崎真弓、ソプラノの柴田真由美、テノールの高木太郎、コープマンではヴィオラの森田芳子、ロイス(レウス)ではヴァイオリンの田辺晴子、オーボエの北里孝と、若い演奏家からベテランまで、多士済々です。このなかで、いまきいている無伴奏ヴァイオリン作品に関係する録音のあるのが平崎真弓で、そのCDをちょっと紹介しておきます。

それは2010年に録音された「ロマン派流儀のバッハ」と題されたCD(GENUIN classics GEN 10189)で、フェリックス・メンデルスゾーン・ バルトルディ、ロベルト・シューマン、フリードリヒ・ヴィルヘルム・レッセルによる、バッハのシャコンヌの編曲を、19世紀のピリオド楽器で演奏したものです(ほかにはフェルディナンド・ダヴィッドによるBWV1016の編曲など)。有名なピアノ付き「無伴奏」編曲ですが、これをメンデルスゾーン、シューマンともにピリオド楽器できけるのはめずらしいと思います。共演はクリスティーネ・ショルンスハイム(フォルテピアノ=1848年製プレイエル)です。

GEN 10189

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アマンディーヌ・ベイェによる「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」。月曜日から収録順に、パルティータ第1番、ソナタ第2番ときき、今日はパルティータ第2番です。このBWV1004の構成は、アッレマンダ―コッレンテ―サラバンダ―ジーガ―チャッコーナで、いずれもイタリア語で表記されています。アッレマンダ、コッレンテ、ジーガは、重音がごくひかえめなところがイタリア風だということなのかもしれませんが、サラバンダ、ましてチャッコーナはそうでもなく、ベイェの演奏もとくに快速というわけはありません。

CD : ZZT110902(Zig Zag Territoires)

ZZT110902

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昨日からききはじめた、アマンディーヌ・ベイェによる「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」。収録順にきいているので、今日はソナタ第2番ということになります。このBWV1003はほかのソナタと同じく4楽章で、グラーヴェ―フーガ―アンダンテ―アレグロという構成です。

CD : ZZT110902(Zig Zag Territoires)

ZZT110902

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今週きくのは、アマンディーヌ・ベイェによる「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」。ベイェの「無伴奏」には、シャコンヌのみの録音がありますが(記事は「エドナ・スターン『シャコンヌ』」)、今日からきいていくのはそれとはべつで、2010年/2011年に録音された全集のCDです。ベイェのCDは、1枚目にパルティータ第1番、ソナタ第2番、パルティータ第2番、2枚目にソナタ第3番、ソナタ第1番、パルティータ第3番という順で収録されています。2枚のCDへの配分は演奏時間のつごうと思われますが、それぞれのディスクでの順はベイェの選んだのかもしれず、きいていく順番もその収録順にしたがうことにします。したがって、今日きくのはBWV1002ということになります。なお、2枚目の最後に、ヨーハン・ゲオルク・ピゼンデルの無伴奏ソナタも収録されています。

CD : ZZT110902(Zig Zag Territoires)

ZZT110902

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「主キリスト、神の独り子」は、1724年10月8日に初演された、三位一体節後第18日曜日のためのカンタータです。「『いと尊き御神よ、いつわれは死なん』 BWV8 [2]」でも言及したように、1724年の三位一体節後第9日曜日から同第24日曜日までは、技巧的なフルート・パートのあるカンタータがあり、このBWV96もそのひとつです。いわゆるコラール・カンタータ(エリーザベト・クロイツィガーの詩による)なので、第1曲はコラール合唱(きらめくリコーダーの響きが印象的)。フルートのオブリガートは第3曲(テノールのアリア)にあらわれます。これからきくのは、トン・コープマンたちによる録音(2000年)で、フルート独奏はウィルベルト・ハーゼルゼットです。

CD : CC 72213(Challenge Classics)

CC 72213

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昨夜、YouTubeのチャンネルAVRO Klassiekをほぼ半年ぶりに訪問しました。バッハ関連の新しい動画がアップロードされており、ダニエル・レウス指揮のイル・ガルデリーノとカペラ・アムステルダムによるBWV232、ロレンツォ・ギエルミ指揮(オルガン)のラ・ディヴィーナ・アルモニアとザルツブルク・バッハ協会コレギウム・ヴォカーレによるBWV159とBWV22、トン・コープマン指揮(チェンバロ)のアムステルダム・バロック・オーケストラによるBWV202とBWV1048、ピーテル・ヤン・ベルダー指揮(チェンバロ)のムジカ・アンフィオンとジェズアルド・コンソート・アムステルダムによるBWV4とBWV80、と興味深いものがズラリ。

どれもなかなかおもしろいのですが、レウス指揮のBWV232(ミサ曲ロ短調)では、注目すべき演奏実践をみききすることができました。それは、第1トランペット奏者がホルン奏者をかねるというもので、そのような演奏実践の見聞は、個人的にはこれがはじめてです。四半世紀まえからの疑問、バッハは「ミサ」の全12曲中、第11曲「クォーニアム」のためだけに、ホルン奏者を待機させたのだろうか。それは節約家バッハらしくない、と。パート譜を献呈したドレースデンの選帝侯宮廷では、そういう贅沢な編成もありえたのかもしれません。しかし、第1トランペット奏者にホルンも吹かせていた可能性もあるとも思っていました。

じっさい、連続して演奏される第11曲「クォーニアム」と第12曲「クム・サンクト・スピリトゥ」ですが、ホルンからトランペットに持ち替える時間は1小節分。理論上は可能なはずです。しかし、時間にすると2~3秒というところでしょうから、かんたんではないことはたしか。図像にみられるように片手で、たとえばホルンを左手で、トランペットを右手で、というふうに吹けばよいのでしょうが、指孔のある楽器ではそうもいきません。期待していたシギスヴァルト・クイケンたちのBWV232(ジャン・フランソワ・マデゥフが録音に参加していることが予想された)でも、第1トランペットはマデゥフでしたが、ホルン奏者はべつにいて、期待した演奏ではありませんでした。

クイケンは、献呈されたパート譜にホルンが独立してあることを重視したのかしれません。もし、第1トランペットとホルンが同一奏者によって吹かれることを想定しているならば、ホルンのパートは第1トランペットのパート譜に記入されているはず、そうでないのだから、ホルン奏者はべつにいたというわけなのでしょう。自筆総譜でも、ホルンのパートは第1トランペットにつながっておらず、第1ソプラノにつながっています。ちなみに、これも問題ありな2部のファゴットも、第1が第2ソプラノ、第2がアルトへとつながります。第1ソプラノがホルンを演奏していたというわけはなく、おそらく譜表としてそれがみやすかったということなのでしょう。

さて、レウス指揮の演奏では、第1トランペットのサイモン・リリーがホルンも吹いています。ホルンには親指で押さえる指孔が2つ開いているようで、両手で下からささえるようにかまえています。「クム・サンクト・スピリトゥ」では、まずホルンで、おそらく第3トランペットのパートを第7小節まで吹き(第1と第2は第2と第3がくりあがり)、第9小節から第11小節までは第3トランペットなしのまま、くりあがった第1と第2のみで吹奏、第25小節からはもとの編成にもどるというものでした。トランペットも指孔ありで両手でかまえるため、1小節分での持ち替えはさすがに無理だったようです。しかし、これこれでは画期的といえる演奏実践だと思います。

こうしたアイディアはだれによるものなのか。オーケストラの編成を、イル・ガルデリーノの創設者マルセル・ポンセールがまかされていたとすると、ポンセールの発案なのでしょうか。あるいは、ヨーローッパではこのような演奏実践が標準的になりつつあるのでしょうか。知らないうちにそうなっていたのかもしれませんが、YouTubeにアップロードされていた、レウス指揮のベルリン古楽アカデミーによるBWV232では、第1トランペット(ちなみにウテ・ハルトヴィヒ)とホルンはべつ奏者でした。紹介した演奏実践が、四半世紀来の疑問の唯一の正答というわけではないと思いますが、できればマデゥフによる指孔なしの録音を期待したいところです。



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これからきくのは、ハンスイェルク・アルブレヒトによるパッサカリアとフーガ。このBWV582は、アルブレヒトによる「フランス様式による序曲 BWV831 [2]」と同じCDに収録されていて、収録曲中、これだけがオリジナルのオルガン曲でした。アルブレヒトの演奏では、最後を壮大に盛り上げています。

CD : OC 634(OEHMS CLASSICS)

OC 634

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今週はアンドレアス・シュタイアーによる「クラヴィーア練習曲集 第1部」を番号順にきいてきました。これからきくのは第5番ですが、このブログでは第6番は既聴なので、これでおわりということになります。BWV829は1730年に出版されており(「クラヴィーア練習曲集 第1部」としては1731年出版)、ほかのパルティータと同じように、舞曲のまえに前奏曲(プレアンブルム)がおかれています。舞曲の構成は、アルマンド―コッレンテ―サラバンド―テンポ・ディ・ミヌエッタ―パスピエ―ジーグです。シュタイアーの録音は、1993年のものながら録音の鮮度も失われておらず、キース・ヒル製(1740年ごろのジャーマン・タイプ)のチェンバロの美しい響が、そのファンタジーに富んだ演奏ともども楽しめます。

CD : BVCD-38108~10(BMG)

BVCD-38108~10

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アンドレアス・シュタイアーによる「クラヴィーア練習曲集 第1部」、1993年の録音なので、かれこれ20年もまえのものなのですが、その鋭敏な演奏はいまも輝きを失っていません。今週はこれを順番にきいていて、今日はニ長調の第4番となります。このBWV828は1728年に出版され、ほかのパルティータとともに「クラヴィーア練習曲集 第1部」としてまとめられ、1731年に出版されています。舞曲のまえにおかれる前奏曲は序曲(ウヴェルチュール)で、これにアルマンド―クーラント―アリア―サラバンド―メヌエット―ジーグが続きます。

CD : BVCD-38108~10(BMG)

BVCD-38108~10

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