カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

お能「清経」

2004年11月02日 | ☆ ふるさと・大和
木々の紅葉に華やぐ奥吉野天川村弁才天の秋の大祭。

奉納神事能を観た。演目は「清経」

都落ちをした平家一門。舞台で舞う平清経の霊と都の片隅でひっそりと暮らしている清経の妻。
夢の中に現れる夫との出会いの刹那さ。妻を慰め、自分が死を選んだ経緯を語りそして死後に陥る修羅道の苦しみを話して消えていく清経。最後に舞台先に出てどんどんと足拍子を打って海底に沈む情景に強く心を打たれた。


シテ、ツレ、ワキの夫々の面の美しさ、能衣装の素晴らしさは至近距離からの観賞に、幽玄の世界に誘われる1時間半だった。

写真撮影が禁止されていたのが、残念だったが、

「お能は観るものであり、撮るものでない」

と今も目に浮かぶお能の舞台と耳に残る地謡、鼓の音を手繰り寄せている。
コメント (6)
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