カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

待っていてくれた山茶花

2004年11月10日 | △ 旅 あれこれ ドライブ
花の咲くのを心待ちにし、蕾の膨らみを毎日眺めて待つのは、春先の梅の花である。
冬の寒さからやっと解放される、陽射しの暖かさを期待する「春待つ歓び」がある。

桜は花見という陽気な集いで象徴されるような、外に向ける心を誘う。桜は華やかに人々に待たれる。
このように、待ち焦がれる花でないが、咲いた時に出会うと、
「アラッ。あなたそこに居たのね。こんなに花を沢山つけて、私を、待っていてくれたのね」
思わず声をかけたい花がある。

そんな花の一つに山茶花がある。
弘川寺の、庫裡門をくぐった途端、出会った山茶花の花盛りの大きい樹。全くこの時期に桃色の花に飾られた山茶花の大樹が、待っていてくれるなんて思いもよらなかった。本坊の屋根より高く見える。全体が優しい色に包まれている。
緑の苔に散ったピンクの花びらも綺麗だ。

以前来たこの庭には、桜があり若葉の緑陰があり美しい庭全体に目を奪われ、その中にこんなに大きな山茶花の樹があったのさえ記憶になかった。


今年は待っていてくれた山茶花に、来年は、私が待って、是非会いに行こう。


コメント (6)
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