カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

水琴窟は静寂の中

2004年11月25日 | ☆ ふるさと・大和

当麻寺西南院に行った。
祝日の朝。当然の人出を予想していたが、広い境内は疎らであったのが嬉しい。
開門間もなくの時間が良かったのだ。
江戸時代に造られたと言う庭園は、山裾をうまく取り入れ池を中心に、飛び石の配置や、刈り込みの美しい木々が心和める癒しの空間を作っている。
庭園に足を踏み入れると、静寂そのもので、人影はあるのに足音も、話し声もない。

はっとするような澄んだ音色が足元にあり、思わずしゃがみこむ。
地の底から奏でる琴の音。それは、旋律でなく、単調な音が、先の音を追うように一定の間隔で耳に伝わる。



音から音までの、ごく短い間の余韻のような響きが、心を和ませ、この自然の中に無我の境地に誘われていく。

つくばいから流れ落ちた水が、その下に埋められた、素焼きの水がめの水面に落ちる音が響くのだと、いつかテレビで見たが、考えた人の、音と庭園の演出の素晴らしさに、感動する。

水琴窟の音の奏でる庭園は、きっと冬枯れの中では、さらに澄んだ響きとなるのではなかろうか。

コメント (4)
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