
[すゐえんのあまつをとめがころもでのひまにもすめるあきのそらかな」
會津八一が薬師寺の 水煙を詠んでいる。

離れたり、近づいたり東塔と西塔を見ながら、いつの間にかそこに目が留まってしまうのが、水煙である。
同じように、秋の陽射しの中に輝く、金堂や、大講堂の鵄尾もその光の部分に目を奪われる。

どこのお寺にお参りしても、惹かれるところが同じで、カメラに残したくなる自分がおかしくなるが、やっぱり、好きは好き。

もう一つ目を捉えるのは、風鐸である。美しく反りのある屋根の、軒下の風鐸が、可愛いなあと感じる。寺院の建築については、学問的な事についての知識は全くないけれど、こんな部分部分を、いいなあと眺めるのが習性になっている。

この度、訪れた薬師寺では、東の回廊にも目を奪われた。
エンタシスの朱塗りの柱の並びがどこまでも続くかに見え美しい。国宝の東院堂に向けて歩きながら、下から見る回廊は、もう片側にもあって、これは珍しい回廊だ。
昨年訪れた時は、工事中だった大講堂も姿を現し薬師寺の伽藍の素晴らしい中での研修は.ありがたく得がたいものであった。