
二寧坂に差し掛かる。
この辺りからの人出には参ってしまった。
両側に並ぶ、民芸品などの京らしい小物の店も覗いてみたくても、友人たちとはぐれそうで、ただただ見逃すまいと、後を追うのが精一杯になる。
人の途切れれた瞬間をやっとキャッチできたのが、この一枚だった。

坂が人に埋め尽くされて、人のベルトが上に上にと登っていくような中に自分もあるのだと、その動きに、任せるしかない状態だった。
週末で、秋の行楽の京都なのだから、これは仕方がないと諦めながら撮った写真も、まるでそんな気持ちが現れたように、逆光のせいもあって、何だか分からない。
せめて、お店の中の気に入った写真が欲しかったなあと、いつかまた来ることだけを考えいた。