私が中学生の頃、すでに教職についておられ、保健の先生としてお世話になったが、今は退職者の仲間として、会の活動にいつも元気に参加されている方の、個展を鑑賞した。
「書」を中心として、水墨、ちぎり絵、絵手紙、表装と、数多くの作品に感動した。
殊に、一番心を注いでおられる「書道」の作品には圧倒され、息詰まる思いで、一作一作の前に足を留めた。
『「書」は、私の人生の歴史であり、生きてきた証であるように思います』と、案内の挨拶状にあったように、これまでの集大成の素晴らしい個展であった。
私には、「生きてきた証」として表現できるものはあるのだろうか。
そのように、一つの形として残るものは何もない。いつも中途半端なところで挫折を繰り返してきている。
性懲りもなく、何かにに取り組みながら、満足のいく結果を得ることがない。
今のところ私の「生きた証」は、私自身であるとしか言いようがない。
それらの挫折を、今度書いてみようと思っている。