「いらっしゃい」メッセージのフクロウと、園内の木に登っているリスも、目がとても優しくて可愛い。
ご挨拶してお会いした奥田さんご夫妻の優しい心が園内、隅々にも行き届いていて心が和む。
「向こうの東屋でお茶を用意していますからどうぞ。」
奥様がそう仰って、畑仕事に忙しそうに出て行かれた。
沢山の花たちを見てから、東屋のお茶を頂いた。
テーブルの上に、「あんじゅさんの手作りお菓子」と書いた小袋が載っていた。
売上金は東日本大震災の支援金として寄付されることが書き添えられていた。
3袋頂くことにして、早速お茶と一緒にお八つにして味わった。
雪深い冬の間に、お寺のあんじゅさんが、この地の山菜の砂糖漬けを作って、ここに来た人がささやかな協力ができるように、東屋においていらっしゃるのだと、後で奥様が話された。
ごぼうや、蕗のほろ苦く甘い砂糖漬けは、珍しく忘れられない味だった。
早春の山野草のオンパレード。
加賀侘助、ヒュウガミズキ、花梅、シナマンなどの花が、青空に美しく誇らしげに花を一杯咲かせている。
日陰になっているところにまだ、前日に降った雪が残っている。
「やっぱりここは、平地よりかなり寒いね、だから高山に咲く花を見ることができて、よかったね。」
友達と思いがけない花の写真収穫に嬉しくなった。
鹿路(ろくろ)という里の境に張り渡したのは、明日香の稲淵の里と、かやの森に張り渡してある、結界の神事の綱と同じではないかと思いながら、カメラに収めた。