陽明門の狛犬は滋賀県の大宝神社が所蔵する国宝(現在は重文)の狛犬を模して、
大正5年に製作された。陽明門の狛犬は角が付いていないので、唐獅子とされる。
陽明門は4年の歳月と12億円を掛けて修復され、この狛犬も又輝きを取り戻した。
感想:様々神社仏閣を訪問観察したがこの様な黄金の狛犬は日光東照宮で初めて
見聞す。江戸時代の平穏と文化の発展が凝縮された一品ともいえるだろう。
参照:①日光東照宮の豪華絢爛な「陽明門」 ②陽明門天井画「狩野探幽作 上り龍」
映像:夕暮れの日光東照宮。閉門間際というのに参拝客が絶えない(2017.11.27)
日光東照宮は43年振りの大改修が竣工した。今回の温泉探査主要目的地
でもあった。江戸幕府265年の栄華を築いた徳川家康を祀る神社の豪奢
な装飾を確認したかった。また、世界遺産認定後初めての参拝でもあった。
社格:別格官弊社(総本社) 祭神:徳川家康(東照大権現)様式:権現造(本殿)
指定:国宝(本殿、陽明門他8)、重要文化財(上社務所他、工芸品含44)
世界文化遺産(日光の社寺)、国史跡(日光山内一円)
参照#日本武人(武神)神社 探訪紀行
奈良吉野山の伽藍と言えば金岑山寺(きんぷせんじ)。全山桜の木の中に
忽然と大伽藍が現れるが如し。国宝の蔵王堂が自然に溶け込んだ様はこの
寺の生立ち、修験道そのものではないか。山岳信仰のスピリチュアル体感。
宗派:金岑山修験本宗 寺格:総本山 本尊:蔵王権現三躰 開祖:役小角(伝)
指定:国宝(本堂(蔵王堂)、仁王門、大和国金峯山経塚出土品 他 )
重要文化財(銅鳥居、木造蔵王権現立像3躯 他)、世界文化遺産
映像:奈良県吉野山中にある勇壮な修験霊場:金峯山寺(きんぷせんじ)
世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして指定された。
熊野三山・高野山に対する、奈良県側の伽藍指定である。吉野山の
華やかさは修験道を更に高みに押し上げ高野山・熊野と比して陽だ。
宗派:金峯山修験本宗 寺格:総本山 本尊:蔵王権現三躰
開祖:役小角(伝)
指定:国宝(本堂(蔵王堂)、仁王門、大和国金峯山経塚出土品 他)
重要文化財(銅鳥居、木造蔵王権現立像3躯 他)、世界遺産
参照:熊野本宮大社(和歌山県紀伊山地)
富岡製糸場の心臓部分である。この建屋内で全国から集まった
若い女工達が繭から絹糸を紡いだのだ。しかも、当時としては
世界のトップクラスの設備であった。日本の絹に世界が注目
記録:フランス輸入ガラス窓、繰糸器300台設置。指定:国宝
⇧ 操糸実演:実際は巨大な装置だが、実演なのでこじんまり
世界遺産富岡製糸場の中で圧倒的な景観がこの建物だ。正面正門を入ると先ず
この煉瓦づくり建屋が目に飛び込んで来る。繭の城は人間の居住空間より堅牢。
記録:1872竣工、木骨レンガ造2階建、切妻造、桟瓦葺 指定:国宝
⇧ 繭と生糸
2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の最後の舞台がここ富岡製糸場である。
2014年に世界文化遺産に指定されている。いうまでもなく日本の近代化の
先駆けだ。この地に立って驚くのは良くこれだけの施設が残っていた事だ
指定:世界遺産(2014)、国宝(操糸所、東置繭所、西置繭所)、重要文化財
(蒸気釜所、鉄水溜、首長館、女工館、検査人館等)、近代化産業遺産
参照:世界遺産富岡製糸場 ホームページ
毛越寺が中世の栄華を極めた証の一つがこの大泉ケ池だ。池の
真ん中には勾玉状の中島があり、池辺には玉石が敷き詰められ、
遣水の曲水の宴や、池の小舟遊びなど優雅な趣向が想像できる。
感動:毛越寺を立ち去ろうとした時、曇り空から微かに西陽が
射し大泉ケ池が感応し始めた。立ち木の隙間に平安の晄。
奥州藤原氏の栄華を遺す遣水の行事が、今でも受け継がれている。
それは遺跡が発見されて、再現された大泉ケ池に水を引き込む遣水
を利用の「曲水の宴」。藤原氏のいにしえの風雅にタイムスリップ。
曲水の宴:流れのふちに流れてくる盃が前を通り過ぎるまでに詩歌
を読み盃の酒を飲んで次へ流し、別堂でその詩歌を披講風雅
現況:全国12の地域で「曲水の宴」が行われているが著名なのは京都
加茂神社、福岡大宰府天満宮。毛越寺は昭和61年から始まる。
遺構:毛越寺の遣水遺構は平安時代遺構として国内最大規模である。
世界遺産平泉ー仏国土の双璧をなすのが、毛越寺である。中尊寺から移動し、
古寺の伽藍を観察する。世界遺産指定後、初めて。藤原氏三代の栄華を彷彿。
宗派:天台宗 寺格:別格本山 本尊:薬師如来 開祖:円仁(慈覚大師)
指定:世界歴史遺産、特別史跡、特別名勝、重要無形民俗文化財(延年の能)
本堂の隣に在るのが、峯薬師堂である。 お堂は目にご利益があるとされる。
目の絵馬を買い納める人も多い。勿論お札も売られている。最近はスマホ
で目を酷使している貴方。この世界遺産お堂で目を気遣うのもいいだろう。
平泉中尊寺の10番目のお堂。皆、ここまでたどり着くまで思い思いの
お堂に願をかける。そしてこのお堂で最後の祈念をする。藤原三代の
夢が詰まった覆堂だ。先ずはお堂への参道をゆっくり呼吸を整え歩む。
🔵覆堂の中の金色堂内陣
とうとう、金色堂と対面する。世界遺産指定後初めての訪問。
藤原一族の栄華と夢と悲劇が深く眠っている。豪華絢爛たる
内陣、仏像群は過去から未来へ永久の平和を願うが如く耀く。
指定:国宝(金色堂、堂内諸像及び天蓋他)、重要文化財(金色堂旧覆堂他)
特別史跡、世界歴史遺産