夏人気の路線・JR五能線。その津軽半島内陸部の駅だ。
つがる市木造町にある。ここは亀ヶ岡縄文遺跡の玄関。
それを意識しての縄文土偶のモニュメントが出迎えだ。
駅感:亀ヶ岡縄文遺跡群が世界遺産に指定されてから、
駅モニュメントの奇抜さでこの駅に観光客が訪問
する様になった。新たな観光スポットとして注目。
映像:湯音清けき、湯の香かぐわし、湯の色鮮やかなる黄金の湯、雲上の極上湯。
蓮華温泉にはこの他、見晴の良い仙気の湯(単純酸性泉)、三国一の湯(単純硫黄泉)、一番
高地の薬師湯 (酸性石膏泉)がある。白馬岳縦走の基地でもあり、入浴中も重装備の登
山家が脇を通り抜ける。・・・もし、幸せを感じるならば、この時、この場、この景観。
北アルプスは日本海側からみると蓮華のようだったので白馬岳は蓮華岳ともいわれ
「蓮華温泉」の語源ともなっている。
【Data】 重炭酸土類泉 44.3℃ pH7.2 源泉:黄金の湯
参照:蓮華温泉 三国一の湯(新潟県)
枯渇:2020年の情報では、三国一の湯は源泉が途絶え入浴不可能状態という
映像:三国一の湯からの眺めは絶景の山岳湯だった。
蓮華温泉の源泉地帯は、白馬岳蓮華温泉ロッジの裏手登山道沿いに点在する。
映像の湯壺は4つある内、最初に遭遇した。小生が十分楽しんだ後、二人組
の登山客が入湯、撮影も心良くOKしてくれた。大人二人の入浴がやっとだ。
【Data】 単純酸性泉 32.8℃ pH2.8 源泉:三国一の湯
学術:日本温泉地域文化資産NO.61自然湧出泉源地帯(日本温泉地域学会編)
映像:浴槽から窓越しに北アルプス連山が望める
来た~!とうとう北アルプス雲上の温泉地。白馬岳蓮華温泉ロッジは標高1,475m。
小蓮華山の中腹にあるこの温泉地は日本温泉地域学会認定日本温泉地域資産。山
中腹には良質な源泉野天風呂が点在する。此処の内湯はその源泉地帯から引き湯 。
【Data】含硫黄ー酸性硫化水素泉 62℃ PH2.6 90ℓ(毎分) 源泉:総湯
参照#黄金湯
映像:晩年、小林一茶が暮らした土蔵。ここが自然(動植物)愛の句を生む
小林一茶は、居宅母屋が火事になり、晩年隣の土蔵で暮らした。その様は
昭和の詩人高村光太郎の山荘にも似ていた。土壁と囲炉裏机と布団の空間
現代では考えられない。生活も限りなく単純化するとこうなるのだろうか?
筆者厳選句:一茶はおよそ22,000の句を成したがその中で好きな句を数首
『やせ蛙 まけるな一茶 是にあり』
『我と来て あそべや 親のない雀』
『雪とけて 村いつぱいの 子供かな』
『春風や 牛に引かれて 善光寺』
『名月を とつてくれろと なく子哉』
『やれ打つな 蝿が手をすり 足をする』
解説:一茶の句は、ほのぼのと人情味あふれるものだった。「われと来て 遊
べや親の ない雀」は自分の境涯を歌ったとされて孤独な境遇を物語る。
映像:一茶記念館俳諧寺にある一茶の節目の句碑
小林一茶は山頭火同様放浪の俳人であった。違いは貧しい農民と豪商の出。
一茶のふるさと回帰は農民という大地に生きる民ゆえの結末。一方山頭火
は根なし草で、根っからの放浪の民(行商人)。この二人の対比がきわだつ
碑文:『 是(これ)が まあついの栖(すみか) 雪五尺 』 (一茶)
解説:一茶は50歳にして、35年の放浪の生活に終止符を打つ。この後三回
も結婚して、4人の子どもを得る。15年で旅立ち、15年の老後を過ごす。
この句は帰郷時の心象を詠んだもの。雪五尺とは人の背丈ほどの積雪を現わ
し、これまでの歩みの重さ、古里の厚み、雪解けの春…様々な思いが凝縮。
参照:種田山頭火句碑(大分県湯平温泉)
映像:一茶記念館内、俳諧寺を背に種田山頭火の石碑(二首掲示)が。
一茶記念館には多くの文人石碑が建つ。その中に放浪の俳人種田山頭火
の石碑を見つけた。江戸時代中国・四国を紀行した一茶との接点は俳句
だけではなく旅をし土地の光を観て風を感じ一句詠むという姿勢だろう。
碑文:一茶翁遺跡めぐり
『ぐるりと まはってきて こぼれ菜の花(土蔵)』
『若葉かぶさる 折からの 蛙なく (墓所)』 山頭火
解説:山頭火は一茶の晩年の寓居(土蔵)を見学しこの一茶記念館俳諧寺
に立ち寄ったのだろう。若葉、蛙は季語、一茶を偲ぶ基語とも推量。
この一茶記念館(俳諧寺)には蕨温泉でゆるりと汗を流しての到着。
参照#種田山頭火 (放浪の歌人)探訪紀行
≪ Memoir:温泉猫 秋田県日影温泉 2006.3.11 ≫
北国の春はまだ寒い。日影温泉の休憩室(兼交流室・売店)では達磨ストーブが
暖かい空気をまわりにもたらす。湯上りのぬる~いひととき。看板猫のちゃちゃ
丸が寝そべっていた。「ちゃちゃ!」と声をかけると尻尾ふって応えてくれた。
映像:秋晴れの裸島、背後に津軽半島、下北半島が見える(2008.10.5)
太宰治が引潮時に島の岩場で昼寝をし目が覚め満潮になり岸へ戻れなかった。
棟方志功が島のテッペンに突き刺さった鉄柱の経緯を聞いて怒った。(椿館亭主)
浅虫温泉と言えば、裸島が脳裏に浮かぶほど、浅虫の印象深く象徴的存在だ。
実話:小生が小学校時代遠足でこの島に来て引潮時に周辺でカニ採りをした。
映像:長野県信濃町俳諧寺前にある一茶の銅像と句碑
一茶記念館一帯が小丸山公園となっており、さしずめ一茶公園だ。園
内には俳諧寺、句碑などがあり一茶を体現できる。一茶を偲んで訪れ
た文人の句碑群も面白い。画面、右の句碑には次の様に記されている。
『 初夢に 故郷を見て 涙かな 』 一茶
解説:一茶は15歳で江戸の商家に丁稚奉公にだされたという。30歳に
して俳人として認められるまでの苦労はいかばかりか。その間に
詠んだと思われる。石川啄木の「故郷は遠きにありて思うもの…」
を思い起こす。いつの世も、苦しみの中の『故郷』は格別な存在。
参照#①小林一茶(牧歌田園歌人) 探訪紀行 ②石川啄木( 哀惜の歌人)探訪紀行
映像:燕温泉街に設置された簡易あし湯。瑠璃色の鮮やかな液体に足はもったいない。
妙高高原燕温泉街の一角、あし湯が提供されていた。まるで飛び交う燕の描く円の様
な泡が沢山!それで、勝手に『燕の湯』と命名、全国のあし湯にも楽しいニックネー
ムをつけたらもっと観光客に温泉地が親しまれると思う。このアイデアいかがですか?
映像:露天風呂の上流は北地獄谷、赤倉温泉の源泉地帯である。
黄金の湯の下方から火打山登山口方面へ10分ほど沢を遡り、橋を渡り、左に支流を
進むと更に白濁が濃い燕温泉露天風呂があった。此処は混浴、女性一人、男性3人の
グループが先客。躊躇したが誘われるままに混浴を体験。峡谷に湧くいで湯は刺激的。
【Data】含芒硝ー重炭酸土類泉 39.6℃ PH6.5 源泉3本流入 源泉:燕温泉
映像:朝早いせいか、ちょうど入浴者が切れ、一人占め状態の黄金の湯
名山名湯を抱く!…久し振りにこの言葉を発す。ちょうど妙高山スキー場の手前にある共同
露天風呂。スキー場としても有名だったが数年前にスキー場は廃止となる。温泉場のスキー
場がなくなるのは全国的な傾向だ・・・それでも温泉は枯れない。頑張れ!温泉リゾート!
【Data】含食塩・土類ー重曹硫化水素泉 43.5℃ PH6.4 源泉:燕温泉集合弁