安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

デューク・エリントン THE POPULAR DUKE ELLINGTON

2008-03-23 18:26:41 | ヴァイブ、オルガン他

松本市内でマスコミ関連の友人と会ってきました。JR東海が進めているリニア中央新幹線(東京~大阪)のルートが話題に上りました。同社では山梨県と長野県にまたがる南アルプス(赤石山脈)にトンネルを抜くための調査を行っています。リニア車両の試験は山梨で行っており、私も試乗させてもらいましたが、500kmくらいのスピードが出ている割に静かでした。電車関連で「Take The A Train」の入った作品を聴いてみます。

DUKE ELLINGTON (デューク・エリントン)
THE POPULAR DUKE ELLINGTON (RCA 1966年録音)

 The_popular_duke_ellington

「Take The A Train(A列車で行こう)」は、1941年にビリー・ストレイホーンが作詞・作曲したものです。後に、エリントン楽団のオープニング・ナンバーになったもので、いかにもわくわくさせてくれるような、期待感をいだかせるメロディです。曲名は、ニューヨークの地下鉄の路線名で、大意はハーレムに行くならA列車に乗ろうという内容ですが、歌よりも器楽として演奏されうほうが多いようです。

僕は、グレン・ミラー、ベニー・グッドマンらスイングバンド、そしてカウント・ベイシー楽団を聴いていたので、はじめデューク・エリントン楽団にはなじめませんでした。エリントンの曲自体はいいのですが、バンドが演奏すると、アンサンブルの和音が複雑、かつブルー過ぎて重たく感じて、どうにもついていけませんでした。しかし、本作品や「70th Birthday Concert」を何回か聞くうちに次第に楽しめるようになってきました。

ポピュラーと謳っているだけに、収録曲はよく知られた名曲ばかりです。「Take The A Train」は、エリントン(p)とクーティー・ウイリアムス(tp)がフューチャーされた思わず立ち上がってしまう楽しい演奏。「I Got it Bad」でジョニー・ホッジス(as)、「Solitude」でローレンス・ブラウン(tb)、「The Twitch」でポール・ゴンザルヴェス(ts)と綺羅星のごときメンバーがソロをとっています。

エリントンらしいサウンドが特に聴けるのは、「Mood Indigo」、「Black and Tan Fantasy」、「Creole Love Call」です。それぞれ木管楽器を中心とした合奏から、ハリー・カーニー(bs)、ラッセル・プロコープ(cl)、ジミー・ハミルトン(cl)らのブルージーなソロが出てきます。それにしてもサックス・セクション全員の音のカラフルなこと、ソリの部分などどうしたらあんな音になるのでしょうか。

キャロル・スローンがエリントン・ナンバーをよく取り上げているように、彼の作品はスタンダード化して、ジャズ界共通の財産になっています。そんな、エリントン(彼の作曲についても)やベイシーなどビッグ・バンドについて知ることのできる、ジャズ批評「特集 ジャズ・ビッグバンド(No.67 1990年)」はとてもよい本です。

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