スキー・ゲレンデを借りて行った仕事も終わったので、スキー板を物置に片付けました。スキーのアルペン選手だった友人は、スキーが上手になる秘訣は、体重移動したらスキーが自然と方向を変えてくれるのを「我慢」して待つことだと強調していました。これが難しいのです。彼もジャズが好きで、二人して松本市内にあったジャズ喫茶「Duke」へ出かけたことがあります。その時の一枚です。
DUKE JORDAN (デューク・ジョーダン)
FLIGHT TO JORDAN (BLUE NOTE 1960年録音)
「コンポーザー・ピアニスト」のデューク・ジョーダンの代表作の一つです。演奏されているのは、すべてジョーダン作になる曲で、6曲とも印象に残るものです。最も有名なのは、「Si-Joya」(No Problem)ですが、「Flight to Jordan」、「Starbright」もよく知られています。
上記3曲の他に、「Squawkin'」、「Deacon Joe」、「Split Quick」が収録されています。メンバーは、ディジー・リース(tp)、スタンリー・タレンタイン(ts)、ジョーダン(p)、レジー・ワークマン(b)、アート・テイラー(ds)といういくらか渋めなメンバーです。今からみると、この顔ぶれはハード・バップを演奏するのに最適ですね。
全体を通して、ジョーダンのプレイにメリハリがありスイング感に富んでいることが特筆されます。それに加えて、D・リースとS・タレンタインがややかすれ気味の音をさせながら吹いており、ジョーダンが書いたメロディにふさわしいムードを設定しながらアドリブをとっています。
これはジャズ喫茶名盤の一つでもあり、あこがれました。ようやく国内盤LPが入手できた時には内容に対する満足感も手伝い何回も聴きました。「Si-Joya」(No Problem)は、アート・ブレイキーの演奏したサウンド・トラック(危険な関係のブルース)盤と比べると地味ですが、そこがまた却ってジョーダンらしいです。