我が家(長野市)の小さな庭に植えたパンジーが綺麗に咲いています。パンジー、ヴィオラといったスミレ科の花は種類が非常に多いですね。マット・デニス作曲の「Violets for Your Furs」は、「コートにすみれ」をという邦題がつけられていますが、Violetは、「ニオイスミレ」という名前のとおりで香水の原料などに使われます。コートに飾ったすみれ(ヴァイオレット)も匂いたったに違いありません。同曲の入ったアルバムです。
J. R. MONTEROSE (ジェイ・アール・モンテローズ)
THE MESSAGE (JARO 1959年録音)
「Violets for Your Furs」は、名曲だけに多くの人が録音しています。フランク・シナトラ、べヴァリー・ケニーらのヴォーカルだけでなく、コルトレーンをはじめとするインストも多数ありますが、今夜はモンテローズ(テナー・サックス)のアルバムを取り出しました。そのわけは、3分にも及ばない短いヴァージョンながらヴァースも演奏しているからです。
メンバーは、モンテローズ(ts)、トミー・フラナガン(p)、ジミー・ギャリソン(b)、ピート・ラロッカ(ds)です。曲目は「Streight Ahead」、「Green Street Scene」、「Chafic」、「You Know That」、「「Short Bridge」というモンテローズのオリジナル4曲に「Violets for Your Furs」、「I Remember Clifford」という現在では大スタンダードとなっている2曲です。
彼のテナー・プレイは豪放なイメージがあるのですが、この作品では繊細な一面もみせています。まず、「I Remember Clifford」における美しい音で、たうとうようなプレイがあげられます。「Violets for Your Furs」も優しい表情でテナーが歌っています。ここではフラナガンのピアノ伴奏(和音など)にもほほがゆるみます。
また、彼の書いたオリジナルもそれぞれ面白いです。中でも「Short Bridge」は、音の高さと表情付けをかえながら同じフレーズを繰り返していきますが、これがなかなかグルービーな演奏です。「Streight Ahead」では、テナーとドラムスとのダイナミックなやりとりやトミー・フラナガンのソロも楽しめます。
Xnanaduレーベル「Streight Ahead」(日本再発盤)できいていましたが、ヴィーナス・レーベルからオリジナル・ジャケットで再発されたので、そのLPで聴いています。