6月21日は父の日です。父の日はアメリカで始まったそうですが、日本でもデパートなどでネクタイなどプレゼント用の品物を求める人も増えているようです。21日は都合がつかないので、1週間早く実家に行き、腰が痛いと言っている父の指導のもと、プレゼントの代わりに労力を提供して畑に黒豆を植えてきました。これは父の趣味で、豆類が豊富な我が家です。ホレスが父にささげたアルバムです。
HORACE SILVER (ホレス・シルヴァー)
SONG FOR MY FATHER (BLUE NOTE 1963~64年録音)
バップ期から活躍したホレス・シルヴァーが父に捧げた作品です。とりわけタイトル曲は、エキゾチックなメロディーとリズムがあわさり、ホレスの名曲として親しまれてきました。シルヴァーの父は、アフリカのベルデ岬諸島のマイオ島の出身で小さい時にアメリカに移住してきたといいます。ギター、ヴァイオリンを弾いたというので、シルヴァーの小さい頃の思い出がこの曲に反映されているのでしょう。
シルヴァーは、バンド・メンバーを長く固定して活動をしていましたが、ちょうどこの録音時くらいに変更しているので、2つのセッションからの作品が収録されています。旧メンバーは、ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)がフロントに対して、新メンバーは、それが、カーメル・ジョーンズ(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)に変わっています。
「Song for My Father」は、新しいメンバーによる録音(1964年10月31日)で、ジョー・ヘンダーソンのテナー・ソロも際立っています。他に、「The Natives Are Restless Tonight」、「Calcutta Cutie」、「Que Pasa」、「Lonely Woman」というシルヴァー作曲のものに、ヘンダーソン作の「The Kicker」が収録されています。
「Song For My Father」以外にも、「The Kicker」は熱気を帯びたプレイ。ピアノ・トリオで演奏した「Lonely Woman」は、いつものコンボでのリズミカルなプレイにかわり、旋律も重視したものです。通して聴いたところ、アルバム全体のムードからでしょうか、大きなスピーカーのあるジャズ喫茶に出かけたくなりました。