安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スタンリー・タレンタイン BLUE HOUR

2010-08-22 20:02:20 | テナー・サックス

今年は猛暑で雨が降らない期間が続いたため野菜の出来が悪いとじいちゃん(父です)が嘆いています。高齢な父ですが、趣味と実益を兼ねて畑を作っていて、それが生き甲斐になっているので、嘆きももっともです。今年は、まともなのはキューリくらいで、トマトやカボチャはよくありません。枝豆は、まあまあとれたので、二人で茹でたてをつまみながらビールを飲みました。スタンリー”THE MAN”タレンタインです。

STANLEY TURRENTINE (スタンリー・タレンタイン)
BLUE HOUR (BLUE NOTE 1960年録音)

 Blue_hour

スタンリー・タレンタイン(ts)のプレイは、サウンドといい、フレーズといい、とにかく黒々としています。ブルージーこの上ないのですが、ジャズ喫茶で聴いた覚えがあまりありません。作品にはオルガン入りのものも多く、かつては一般的でなかったかもしれません。サイドメンとしては、ケニー・バレル(g)の「Midnight Blue」を思い浮かべます。

これはタレンタインのワン・ホーン作品ですが、共演者はザ・スリー・サウンズで、ピアノのジーン・ハリスは、ソウルフルなプレイを身上とするだけに、相性のいい組み合わせです。タレンタイン(ts)、ハリス(p)、アンドリュー・シンプキンス(b)、ビル・ドゥディ(ds)というメンバー。

「Blue Hour」とは、朝の薄明かりの時を指し、ジャケットもそんな感じです。アイラ・ギトラーが書いたライナーには「that early morning time~」と、また「The Blues in Blue Hour」とあり、ブルーズ色の濃い内容。曲目は、「I Want a Little Girl」、「Gee Baby ain't I Good to You」、「Blue Riff」、「Since I Fell For You」(バディ・ジョンソン作)、「Willow Weep For Me」。

タレンタインはR&Bバンドの出身ではあるものの、ここでは、抑え気味で意外に端正なプレイをしています。スローテンポで、G・ハリス(p)の前奏からブルームード横溢の「I Wan't a Little Girl」、やや早いテンポのハリス作「Blue Riff」はテーマも楽しく、スリー・サウンズとの共演が成果を上げています。「Willow Weep For Me」も含めて、じっくりとタレンタインの吹くテナーの音色や節回しを堪能しました。