安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

シダー・ウォルトン BREAKTHROUGH! 

2010-09-12 10:08:35 | ピアノ

近くのTSUTAYAで目にとまった「ある愛の詩」(Love Story)を借りてきました。アリ・マックグロウとライアン・オニールが主演し、大ヒットした作品で、「愛とは決して後悔しないこと」というセリフも有名になりました。そして、さまざまなアレンジで流れるフランシス・レイの音楽もヒットしました。今見てもよくできた映画ですが、富豪の父親とその息子がどうして対立しているのか今ひとつ不可解です。保守的な父に対する反発なのでしょうが、どうでしょうか。ラブストーリーのテーマが収録されたアルバムです

CEDAR WALTON (シダー・ウォルトン)
BREAKTHROUGH! (COBBLESTONE 1972年録音)

 Breakthrough

このアルバムは、一応、シダー・ウォルトン(p)のリーダー作としましたが、ジャケットからもわかるようにハンク・モブレイ(ts)との双頭リーダー作です。モブレイは、健康上の理由から1975年に引退してしまうので、本作が事実上最後の作品となりました。ここにおける彼のプレイを聴くと、早すぎる引退が残念でなりません。

メンバーは、シダー・ウォルトン(p)、ハンク・モブレイ(ts)、チャールス・デイビス(bs,ss)、サム・ジョーンズ(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。デイビスをいれたことでサウンドに厚みが加わり、また、モブレイとデイビスとの2ホーンによる掛け合いも聴かれます。

モブレイ作が2曲で「Breakthrough」と「Early Morning Stroll」、シダー作「House On Maple Street」、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Sabia」、フランシス・レイの「Theme From Love Story」(ある愛の詩のテーマ)、ガーシュイン作「Summertime」という6曲。「Love Story」の主題歌は米国でもヒットし、シダーはジャズ化しここに録音しています。

ハンク・モブレイが張りのあるトーンで、ちょっと硬派なプレイをしているのが目立ちます。「Summertime」、「Early Morning Stroll」などのソロでは、メンバーか関係者からと思われるかけ声もかかり、インティメイトなセッションという雰囲気も出ています。シダーは、2曲でエレピを弾いていますが、あまりピンときません。ピアノ・トリオでやった「Theme From Love Story」が、短いながらイントロも付けて、愛らしくてよいです。

【1971年のヒット、映画音楽の参考本】

「ある愛の歌」(1970年公開)は、1971年3月に日本で封切られています。フランシス・レイの書いた曲の方は、アンディ・ウィリアムスの歌でもヒットしました。また、同年6月、イギリス映画「小さな恋のメロディ」が封切られ、この映画の主題歌ビージーズの「メロディ・フェア」は日本で大ヒットしました。
「ある愛の詩」を観たり、2つの曲を聞いていたら、当時の様々な出来事が、一気に思い浮かんできました。いずれも結局はさえない話ばかりですが(笑)。

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 「映画音楽」(浅井英雄著、誠文堂新光社)