安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

トゥーツ・シールマンス THE SOUL OF TOOTS THIELEMANS

2010-09-23 17:47:44 | ヴァイブ、オルガン他

今年は長野市のある町内会の役員なので、会合や作業に出ることがあります。昨日も近くの神社(日吉大神社)の秋祭りだというので、朝5時半に起きて町内の入り口に提灯を飾ったり、子供神輿の飾りつけをしました。子供は幼稚園から小学生くらいなので、お神輿はリヤカーに乗せますが、町内を練り歩いているのを見ると苦労も吹っ飛びました。今日はそれらの片づけを行いましたが、このお祭りが終わると秋の気配が次第に濃厚になってきます。秋らしく、落ち着いたムードの作品です。

TOOTS THIELEMANS (トゥーツ・シールマンス)
THE SOUL OF TOOTS THIELEMANS (Signature 1959年録音)

 Thesouloftootsthielemans      Thesouloftootsthielemansuragaeshi

                             (ジャケを裏返ししてみました)

ジャズ・ハーモニカ奏者というと、トゥーツ・シールマンスがまずあがります。ビル・エヴァンス(p)と共演した「アフィニティ」を初めとしたアルバムや映画「真夜中のカーボーイ」のテーマを吹いたことで知られます。ここでは、ギターも演奏していますが、両方の楽器とも落ち着いた音色、素朴で中庸をいくプレイで、じっくりと聴くのに最適です。

シグネチュア・レーベルは、1980年代くらいまでは日本では幻のレーべルと呼ばれ、中でも「レイ・ブライアント・プレイズ」は、幻の名盤とされてきました。この録音に、そのレイ・ブライアント(p)が付き合っていて、メンバーは、シールマンス(ハーモニカとギター)、レイ・ブライアント(p)、トミー・ブライアント(b)、オリヴァー・ジャクソン(ds)です。この3人は、派手ではありませんが、快適なリズムを奏でています。

選曲が凝っています。本来カントリー・ウェスタンの曲「ユー・アー・マイ・サンシャイン」、ジャンゴ・ラインハルト作「ヌアージュ」(雲)、エロールガーナー作「ミスティ」、パーカーの「コンファーメーション」、シャルル・トレネのシャンソン「日曜日の子供達」、古いスタンダード「ファイヴ・オクロック・ホイッスル」と「ロンサム・ロード」、そしてシールマンスのオリジナル2曲「ソウル」と「ブラザー・ジョン」です。

秋の夜長にふさわしい、落ち着いてしみじみとした作品です。暖かみのあるハーモニカの音色で聴く「ミスティ」、ギターが繊細なソロをとる「ヌアージュ」、意外にグルービーなギターを弾いている「ユー・アー・マイ・サンシャイン」と「ロンサム・ロード」、哀調を帯びた「日曜日の子供達」など。シールマンスの「ソウル」はブルースで、それも含め、レイ・ブライアントのソロが各曲で楽しめます。特に大きな音(フォルテ~)で入れる低音のシングルトーンのタイミングが絶妙です。