11月14日(日)から16日(火)にかけて出張で神戸市に行ってきました。自由な時間はそうとれなかったのですが、15日に北野坂にあるジャズ・クラブの「ソネ」の最終ステージを聴くことができました。はじめの2曲はピアノ・トリオによる演奏で、次いで、ヴォーカリストの山添ゆかさんが登場して4曲歌いました。山添さんの歌もよかったのですが、はじめのピアノ・トリオが躍動的で、とりわけピアノの泉川貴広さんが印象に残りました。既に盛んに演奏活動を行っていますが、今後が期待できそうです。ソネでピアノ・トリオが演奏した「If I Were a Bell」が入っているアルバムです。
EDDIE COSTA (エディ・コスタ)
GUYS AND DOLLS LIKE VIBES (CORAL 1958年録音)
神戸は、北野異人館街やメリケンパーク、南京町と見所が多く、また、オシャレなレストランやブティックなどのお店が通りに並んでいるためか、女性観光客が多くいました。ジャズ・ライブを聴けるところが多いことに加え、洋食をはじめ食べるものも美味しいので、また行きたい街です。ジャズ喫茶「茶房 ヴォイス」や「MOKUBA'S TAVERN」に寄ってみましたが、お店の方はフレンドリーで、さすがに港町神戸だと感心しました。
さて、エディ・コスタですが、ピアノとヴァイブのどちらも一流の腕前を持っていたミュージシャンで、ピアノの方は左手を用いて低音も活用した力強いプレイをします。ヴァイブの方は、あまり共鳴させずにストレートに音を出していますが、ピアノのようなごつごつとした感じはないので聴きやすいものです。その彼が唯一、ヴァイブに専念したアルバムが、この作品です。
メンバーは、エディ・コスタ(vib)、ビル・エヴァンス(p)、ウォンデル・マーシャル(b)、ポール・モチアン(ds)という、今から見ると実に豪華な人選です。曲目は、1950年11月から1200回も上演されたミュージカル「Guys and Dolls」(野郎どもと女たち)からで、「Guys and Dolls」、「Adelaide」、「If I Were a Bell」、「Luck Be A Lady」、「I've Never Been In Love Before」(まだ恋したことはない)、「I'll Know」の6曲。作曲は、フランク・レッサー。
バラードの「Adelaide」では、コスタは、和音を交えたしっとりしたプレイを行い、エヴァンスは抒情的で新鮮な旋律を弾いています。「If I Were a Bell」は、早いテンポでリズミック。コスタが、ストレートな響きでややメカニックな演奏をしています。同曲では、P・モチアンのブラッシュプレイも心地よい。「I've Never Been in Love Before」は、はじめはバラードで、エヴァンスの繊細な演奏が素晴らしく、途中から早いテンポに変わり、コスタがメロディを装飾しながらスイングしていきます。
【ジャズ・クラブ 「ソネ」】
(入り口)
(泉川貴広(p)、井手厚(b)、高野正明(ds))
(山添ゆか(vo)とピアノトリオ)