今年の春は飛散している花粉の量が半端ではないようで、ひどい花粉症の症状が出ています。目のかゆいのは当たり前、鼻水、鼻づまりでティッシュをたくさん使い、頭痛気味で頭も重くなっていて、薬ももちろん飲んでいますが、一向に効きません。4月中は、仕方がないとあきらめ気味ですが、クールなジャズを聴いてせめて気分転換をしてみました。
PAUL DESMOND (ポール・デスモンド)
FIRST PLACE AGAIN (Waner Bors. 1959年録音)
人文字のジャケットというのも珍しいですが、よくこれだけの人を集めて、ジャケット写真を撮ったものだと、このアルバムを手にする度に感心します。プレイボーイ誌ではジャズプレイヤーの人気投票が行われていましたが、デスモンドが1958年、59年とアルトサックス部門で連続して1位をとったので、このタイトルで発売された作品です。
メンバーは、ポール・デスモンド(as)、ジム・ホール(g)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)の4人で、ベースとドラムスは、モダン・ジャズ・クワルテット(MJQ)のメンバー。デスモンドのプレイに加えて、ピアノではなくギターを入れた楽器編成により、室内楽的なムードが漂います。
曲目もデスモンドに相応しく、メロディが美しくて、可愛らしいとも思えるものが集められています。ほとんどスタンダードで、「I Get A Kick Out of You」(君にこそ心ときめく)、「For All We Know」、「Greensleeves」(グリーンスリーヴス)、「You Go To My Head」、「East of The Sun」、「Time After Time」、そしてジョン・ルイス作曲の「Two Degrees East Three Degrees West」(2度東3度西)という7曲。
デスモンドのクール気味な美しいサウンドに酔いしれますが、わき役の活躍も目立ちます。ジム・ホール(g)は、「I Get A Kick Out Of You」でピアノかヴァイブの音と間違えそうな印象的なイントロを聴かせ、各曲におけるソロも素晴らしい。パーシー・ヒース(b)は「Two Degrees East Three Degrees West」でブルージーなソロをとります。躍動感が横溢している「I Get A Kick Out Of You」や緊張感に富んだアルト・ソロが聴ける「East of The Sun」など耳を傾けたくなります。