先日、ジャズ喫茶のM-Gate(長野県北安曇郡松川村)に行ってきました。開店してから、1年半ほどになりますが、僕の訪問は1年ぶりくらいです。久しぶりに聴く、スピーカーのDD66000から出てくる音は、ナチュラルさはそのままに、硬さがとれて随分と聴きやすくなっていました。いわゆるエージングでしょうか、たいへん良くなっていて感心しました。今度は、聴き慣れたレコードを持参して聴かせてもらおうかと思いながら、お店を後にしました。聴いたのとは別のケニー・ドリューのアルバムです。
KENNY DREW (ケニー・ドリュー)
HOME IS WHERE THE SOUL IS (XANADU 1978年録音)
M-Gateのシステムでは、特にベースやサックスの木質系の音の伸び、質感の良さが感じ取れました。かかっていたLPは、ケニー・ドリューの「ザ・ララバイ」(Baystate原盤 1982年録音)でしたが、ニールス・ペデルセン(b)の音が、芯があって、しかも伸びており、音質自体も素晴らしい奏者だと認識することができました。
「Home Is Where The Soul Is」は、1964年以来デンマークのコペンハーゲンに住んでいたドリューが、アメリカに一時帰国した際に録音されたものです。ピアノ・トリオものは、リバーサイドレーベルに録音したものが良く知られていますが、これも負けず劣らずの作品です。
メンバーは、ケニー・ドリュー(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、フランク・バトラー(ds)。曲は、アダレイ作「Work Song」(ワーク・ソング)、エリントンの「Prelude To A Kiss」、J・V・ヒューゼンの「It Could Happen To You」、ドリュー自作の3曲「Only You」、「Three And Four Blues」、「Ending」に、Wells作曲の「West Of Eden」。Wellsという人は、全くわかりませんでした。3曲もドリューの自作が入っていて、彼の意気込みが伝わってきます。
「Work Song」は、途中から足で自然とリズムをとりたくなる演奏で、ハードバップ・ドリューの真骨頂が出ています。右手中心に、時々低音でアクセントをつけて、ダイナミックにスイングしています。それは、「It Could Happne To You」でも同じで、ソロではかなり早いテンポになることもあって興奮ものです。「West Of The Eden」は、哀愁を帯びたテーマがボサノヴァで奏でられ、アドリブは4ビートで演じられてグルービー、自作では、バラードの「Ending」がしみじみとしています。
【再訪したM-Gate】
住所:長野県北安曇郡松川村、役場とすずの音ホールの近くです。
電話:0261-62-2384
営業:10:00~20:00 (火、水曜日定休)。
お店の前の道から北アルプス方面を撮ってみました。