先週は長野県を含めた関東甲信地方で雪が降り、気温も低かったのですが、ようやくきのうあたりから気温が上がってきました。今シーズンは、低音が続き、所によっては降雪も多く厳冬でした。県の北部などかなりの積雪になっているところがあり、雪どけの遅れは、稲の作付にも支障が出るので、この調子で春に向かってほしいものです。暖かそうな美女ジャケです。
ROLAND HANNA (ローランド・ハナ)
EASY TO LOVE (ATCO 1959年録音)
美女ジャケは多いですが、これだけ顔を大きく捉えたものは、そうないかもしれません。ローランド・ハナ(P)のアトコ・レーベルへの2作目で、ジャケットはもちろん、内容が素晴らしいので、LPで持ち続けています。ハナは、1966年から74年にかけてのサド=メル楽団での活動、録音も知られていますが、ピアノ・トリオの本アルバムに愛着を覚えている人は多いのではないでしょうか。
ローランド・ハナ(p)、ベン・タッカー(b)、ロイ・バーンズ(ds)というメンバー。ハナは、デトロイト出身で、先輩にはトミー・フラナガンがいますが、フラナガンからの影響もあるかもしれません。バラードを弾く際の細かな音の美しさは、小さいころからクラシックをみっちりと習っていたせいでしょうか。
曲は、スタンダードが多く、「The Best Things in Life Are Free」、「Like Somone in Love」(恋の気分で)、「Yesterdays」、「It Never Entered My Mind」、「Easy To Love」、「Night In Tunisia」(チュニジアの夜)に、ベン・タッカー作「Next Time You See Me」と「Farouk Thelonious」そしてリー・ハーライン(代表曲は「星に願いを」)作の「From This Day On」の9曲。タッカーが2曲提供しているのが目を引きます。
最初の「The Best Things in Life Are Free」から、3人のバランスがよい上質なプレイが聴け、特に和音で奏されるテーマ部が心地よい。ベン・タッカー作の「Next Time You See Me」は、ブルースらしく黒っぽく、バラード「From This Day On」や「It Never Entered My Mind」では、端正で美しいピアノ演奏が聴けます。「Night In Tunisia」は、急速調で、目一杯高音まで使ったハナ(p)の迫力あるプレイに加え、バーンズ(ds)も活躍して爽快な出来栄え。