久しぶりに長野市の友人と飲会をしたら、いまの子供は恵まれているという話になりました。彼のお子さんは、専門学校に在学していて、勉強はしっかりとしているようなのですが、この12月は、学校の行事で欧州旅行に2週間行っているとのこと。イタリアでは、ローマ、ミラノ、フィレンツェなどを訪れるとのことで、羨ましがっていました。彼自身は、忙しくて欧州旅行へ行くような時間は取れないようです。ミラノ生まれの歌手。
JULA DE PALMA (ユラ・デ・パルマ)
JULA IN JAZZ (Sonorama 1958,59,65,67年録音)
ユラ(正確な発音は「ユーラ」のようです。)・デ・パルマは、1931年イタリア・ミラノ生まれの歌手。はじめは女優として活動していましたが、1949年にレコード・デビューし、50年代前半には新進歌手として知られるようになりました。彼女は、シャンソンやカンツォーネを歌い、サンレモ音楽祭には、1955年、57年、59年、60年、61年に出場しています。59年の「TUA(あなた)」は第4位に入賞した曲で、ヒットしました。70年には、ローマのシスティーナ劇場でワン・ウーマン・ショーをイタリアの女性歌手として初めて行い、大成功を収めました。しかし、74年には引退してしまいました。
昨年(2011)、この14曲収録のコンピュレーション盤が発売されたことで、日本のジャズ、ヴォーカルファンの間でも認知度が高まったようです。ここには、1958年のEP「Jula In Jazz No.1」の4曲、59年のEP「Jula In Jazz No.2」の4曲、65年録音のGampiero Boneschi楽団伴奏の3曲、67年録音のNew Orleans Jazz Band伴奏の3曲という4つのセッションが収録されています。「Jula In Jazz No.2」は、フランコ・チェリ(g)入りのコンボが伴奏を務めていて、彼のソロも聴けます。
曲は、スタンダードがほとんどです。「Pennies From Heaven」(黄金の雨)、「Night And Day」(夜も昼も)、「I've Got You Under My Skin」、「The Nearness Of You」、「Che Cosa Ce」、「Just One Of Those Things」、「I Left My Heart In San Francisco」(想い出のサンフランシスコ)、「Cheek To Cheek」、「Blues In The Night」(夜のブルース)、「One For My Baby」、「Un Vecchio Dixland」、「Everything Happens To Me」、「1000 Ragazzi Fa」、「My Man」。
ユラ・デ・パルマの声域は、コントラルトで、時にハスキーですが甘く艶もあります。リズムにのった軽快なものもよいですが、ミディアム・テンポ以下のものは、情感のこもった丁寧な歌い方で訴えかけてきます。「Pennies From Heaven」、「Night And Day」、「The Nearness Of You」、「Just One Of Those Things」など、2枚のEP収録曲はもちろん、65年や67年のセッションでも、雰囲気のある引き込まれるような歌を歌っていて、さすがにイタリアのトップ歌手だと思わせてくれる内容です。
【「TUA」を歌うユラ・デ・パルマ】
http://www.youtube.com/watch?v=D_oNc21AWxc
カンツォーネなので、ゆったりと歌いあげています。この歌がセクシー過ぎるとのことで、国営放送局への出演が10年間できなかったのですが、全くそのようなことはなく、昔のこととはいえ、不合理です。そんなこともあったのですが、引退するまで10年以上、人気を保ちました。
【7インチジャケット(ライナーノートから)】