飯田市は、人口10万人ですが、スーパーマーケットやファミレスなどが郊外に出来て、旧来の市街地はやや寂しくなりつつあります。けれども、冬のシーズンに入り、商店などにイルミネーションが飾られて、「丘の上」と言われる昔からの市街地が少し華やいで見えます。僕の散歩コースにも、木などに飾り付けた豆電球が輝いている場所があったので、写真に撮ってみました。「Blue Light」が収録されたアルバム。
GIGI GRYCE (ジジ・グライス)
REMINISCIN' (MERCURY 1961年録音)
ジジ・グライス(as)は、ボストン音楽院出身で、アルト・サックスの演奏とともに、作編曲を手掛けました。活動期間は、1953年から61年にかけての8年間程度で、早く引退してしまい、学校の先生として音楽教育に携わりました。アート・ファーマー(tp)やドナルド・バード(tp)と共演してきましたが、1959年には、リチャード・ウィリアムス(tp)ら若手とクインテットを結成しています。この作品は、そのコンボが中心のもの。
メンバーは、ジジ・グライス(as)、リチャード・ウィリアムス(tp)、エディ・コスタ(vib)、リチャード・ワイアンズ(p)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、レジー・ワークマン(b)、ジュリアン・ユール(b)、ボビー・トーマス(ds)、ウォルター・パーキンス(ds)。ベースとドラムスは、録音日によって入れ替わっています。この顔ぶれを見ると、当時の若手の精鋭がグライスの回りに集まっているだけにに、彼が早く引退してしまったのは残念です。
曲は、グライスの自作が「Blue Light」と「Reminiscing」、ランディ・ウェストン作「Gee Blues Gee」、後はスタンダードで、「Caravan」、「Yesterdays」、「A Night In Tunisia」(チュニジアの夜)、「Dearly Beloved」、「Take The A Train」(A列車で行こう)の8曲。「Blue Light(Blue Lights)」は、訳すと「青い光」という題名通り、ほの暗くブルーな曲ですが、エディ・コスタが「House of Blue Lights」(Dot)のタイトル曲として、ピアノで演奏していますし、「When Farmer Met Gryce」(Prestige)にも収録されています。
ジジ・グライスのまろやかなトーンによるアルト・サックスと編曲が冴えた作品。「Gee Blues Gee」は、テンポが早くそういう感じがあまりしませんが、ワルツで、グライスやワイアンズ(p)のソロが、まとまっています。「A Night in Tunisia」は、レジー・ワークマンの力強いベースに導かれたエキサイティングな演奏ですが、グライスのソロには優雅さも感じられます。歌ものの「Dearly Beloved」では、ワイアンズによるイントロから、メンバー全員がリラックスしてメロディアスなプレイを行っていて、なかなかいい雰囲気。
【飯田市街地イルミネーション】