安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

バド・パウエル IN SCANDINAVIA

2012-12-23 10:51:21 | ピアノ

職場の同僚が自宅で獲れたと言って、「カリン」を持ってきて籠に飾ってくれました。長野県内だと、諏訪市にあるカリン(実際にはマルメロらしいですが)並木が有名ですが、飯田下伊那地方にも木があるようです。子供の頃、カリンの砂糖漬けを食べるのが楽しみでしたが、のど飴の成分に使われるなど、カリンは喉を潤してくれます。気持ちを潤してくれるピアニスト。

BUD POWELL (バド・パウエル)
IN SCANDINAVIA (Marshmallow 1962年録音)

 Budpowellinscandinavia

バド・パウエルのような巨人の演奏でも、晩年には好不調の波があって、生気のない演奏があったことも確かです。今回、日本のマシュマロレーベルが北欧における1962年の録音から製作した、このアルバムでは、なかなか好調で、聴いていると自然に笑みがこぼれます。リリースは、2012年11月25日。

タイトル通り、デンマークのコペンハーゲンとノルウェーのオスロでの録音。コペンハーゲンのものは、パウエル(p)、ニールス・へニング・オルステッド=ペデルセン(b)、ヨーン・エルニフ(ds)のトリオによる5曲、そのトリオにブリュー・ムーア(ts)とドン・バイアス(ts)が加わったものが3曲。オスロのものはパウエル(p)、エリック・アミュンゼン(b)、オーレ・ヤコブ・ハンセン(ds)のトリオで4曲。

曲は、コペンハーゲンのトリオで「Anthropology」、「Like Someone In Love」、「Straight No Chaser」、「Round About Midnight」、「52nd Street Theme」、トリオに2人のテナーが加わった、「Rifftide」、「I Remember Clifford」、「Anthropology」、オスロのトリオで「Dance Of The Infidels」、「I Remember Clifford」、「Hot House」、「52nd Street Theme」。

オスロ録音も悪くないですが、聴き逃せないのは、コペンハーゲンにおける録音です。僕は、アルペジオの美しさや和音が自然で暖かいといったところから、パウエルの弾くスタンダードやバラードがことに好きですが、ここでも「Like Someone In Love」や「Round About Midnight」といった曲が素晴らしく、特に後者は緊張感を伴っていて、晩年のものとは思えません。早いテンポのものもよどみなくフレーズが出てきていて、中では、二人のテナーが入った「Anthropology」が面白い。コペンハーゲンの録音では、ニールス=ペデルセンのベースが貢献しています。

【カリン】

     Karin201212