連休を利用して北海道札幌市に行ってきました。友人ら数人で行ったので、観光スポットにつきあったり、宴会と忙しかったのですが、ジャズ喫茶やジャズクラブに出かけることもできました。この時期、札幌はちょうど紅葉を迎えていて、木々が美しく、ベストシーズンだったのかもしれません。北海道大学のイチョウ並木や中島公園を一人でゆっくりと散策して「札幌の秋」を感じてみました。2回続けて札幌関連の記事になりますが、まずは、「秋の情景」から。
CHARLES LLOYD (チャールス・ロイド)
DREAM WEAVER (ATLANTIC 1966年録音)
紅葉の時期に札幌を訪れたのは、初めてで、北大の構内も初めて入りましたが、自然が残され、また、景観にも配慮が行き届いていて、素晴らしいたたずまいでした。イチョウ並木やポプラ並木といった有名スポットばかりでなく、構内全体がみどころ一杯でした。そこで、曲目に「Autumn Sequence」(秋の情景)がある、チャールズ・ロイド(ts, fl)の作品を取り上げました。
当時の若手の清新なメンバーが揃っています。チャールス・ロイド(ts,fl)、キース・ジャレット(p)、セシル・マクビー(b)、ジャック・デジョネット(ds)。発売当時から話題となったアルバムであり、ジャズ・ファンばかりでなくて、ロック・ファンにも歓迎を受けたようです。リズム・セクションの3人により、後年のキース・ジャレットのスタンダード・トリオの原型というような演奏を行っているトラックもあります。
曲は、スタンダードの「Autumn Leaves」以外は、ロイドの自作です。「Autumn Sequence」(秋の情景)は、「Autumn Leaves」(枯葉)をはさみ、自作の「Autumn Prelude」と「Autumn Echo」を付けたもので、いわば前奏と後奏が「枯葉」についた形です。後は、2部作の「Dream Weaver」、「Bird Flight」、「Love Ship」、「Sombrero Sam」で全5曲。「Love Ship」は、ジョン・コルトレーンの曲想に近いものです。
フリーがかったもの、ジャズ・ロック、バラードといった盛りだくさんの内容です。チャールス・ロイド(ts,fl )のコルトレーンの影響がみられる情熱的なプレイとともに、キース・ジャレット(p)のアバンギャルドな演奏も聴きものです。ハードな曲もありますが、ロイドがフルートを吹く「Autumn Sequence」、コルトレーンライクなテナープレイが聴けるバラードの「Love Ship」が、とりわけこの季節には似合います。
【北海道大学イチョウ並木・構内光景2013/11/04】