安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジェームス・クレイ A DOUBLE DOSE OF SOUL

2013-12-08 09:17:38 | テナー・サックス

職場の同僚が、自宅の庭の木になったといって、カリンを持ってきてくれました。黄色で大きな実は観賞用にもいいので、バスケットに入れて飾ってみました。カリンは、堅いので薄く切って砂糖漬けにしますが、小さい頃、母がつくってくれたもの(実際にはマルメロかもしれません。)を食べるのが楽しみでした。堅くてハードなイメージのミュージシャンですが、どうでしょうか。

JAMES CLAY (ジェームス・クレイ)
A DOUBLE DOSE OF SOUL (Riverside 1960年録音)

   Adoubledoseofsouljamesclay

ジェームス・クレイ(ts、fl)は、1935年ダラスの生まれなので、いわゆるテキサス・テナーでハードにブロウするイメージがありますが、実際には、中庸をいくミュージシャンといってもいいかと思います。西海岸での活動やレイ・チャールズのバックバンドに長らく入っていた経歴がありますが、リーダー作は多くありません。これはその貴重な一枚です。

キャノンボール・アダレイの推薦によって、リバーサイドが制作したもので、当時の彼のグループのメンバーも録音に参加しています。メンバーは、ジェームス・クレイ(ts, fl)、ナット・アダレイ(cor)、ビクター・フェルドマン(vib)、ジーン・ハリス(p)、サム・ジョーンズ(b)、ルイ・ヘイス(ds)。ジーン・ハリスのリバーサイド録音は、多分これくらいだと思いますが、ソウルフルでリズミックなプレイで、この作品の成功に寄与しています。

曲は、メンバー等のオリジナルとスタンダードです。ヴィクター・フェルドマン作「New Delhi」と「Pavanne」、ナット・アダレイ作「Pockets」、ダニエル・ジャクソン作「Linda Serene」と「Lost Tears」、スタンダードの「I Remember You」、「Come Rain or Come Shine」(降っても晴れても)の7曲で、CDには「New Delhi」と「Come Rain or Come Shine」の別テイクが収録されています。フェルドマンの書いた「New Delhi」(ニューデリー)にはエキゾティックなところがあります。

ジェームス・クレイ(fl, ts)に加え、ジーン・ハリス(p)ら共演陣も好調で、なかなかよいアルバムです。哀愁の感じられる曲想の「New Delhi」では、クレイはフルートで緊張感が漲る演奏を行っています。フェルドマン(vib)も硬質なソロをとっていて、サスペンス映画のバックグラウンドにもよさそうです。同じくフルートを吹く「I Remember You」では、一転して明るいスインガーで、サム・ジョーンズ(b)のランニングベースも心地よい。「Come Rain or Come Shine」では、クレイは黒っぽいテナーを吹いていて、迫力充分の「降っても晴れても」になっています。

【カリン】

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