今年の甲府ジャズストリートに、スコット・ハミルトン(ts)のグループが出演しました。彼のアルバムは何枚も持っていますが、実際にライブに接するのは初めてです。公演は桜座における午後7時と8時30分からの2ステージで、1ステージ70分くらいたっぷりと演奏してくれました。今回のスコット・ハミルトンの日本ツァーのスケジュールは、本日が初日で、10月25日まで全国10か所でライブが開催されます。
スコット・ハミルトン&ジャズ・フレンズ。ドラムスのアキラ・タナが隠れています。
(メンバー)
スコット・ハミルトン(ts)
モリタ・キヨシ(p) (森田 潔)
ブルース・ハマダ (b,vo)
アキラ・タナ (ds)
Scott Hamilton(ts)、Kiyoshi Morita(p)、Bruce Hamada(b,vo)、Akira Tana(ds)。
(曲 目)
第一ステージ(午後7時~)
Just in Time
In A Sentimental Mood
The Way You Look Tonight (今宵の君は)
I Could Write A Book (歌:ブルース・ハマダ)
I've Got The World On A String (歌:ブルース・ハマダ)
The Shadow of Your Smile (歌:ブルース・ハマダ)
How Insensitive
Cherokee
第二ステージ(午後8時30分~)
不明 (よく聴くメロディだけど曲名が出てきませんでした)
Come Rain or Come Shine (降っても晴れても)
Strike Up The Band
They Can't Take That Away from Me (誰も奪えぬこの想い) (歌:ブルース・ハマダ)
Time After Time (歌:ブルース・ハマダ)
The Way You Look Tonight (歌・ブルース・ハマダ)
You and The Night and The Music (あなたと夜と音楽と) (ピアノ・トリオ)
不明 (よく聴くメロディだけど曲名が出てきませんでした)
Sweet Georgia Brown (アンコールとして演奏)
(感 想)
ベテラン4人によるスイングする楽しいジャズを堪能しました。もちろん迫力やブルージーなところもありましたが、上質ないい音楽を聴いたという満足感に浸れるステージでした。
スコット・ハミルトン(ts)のテナーサックスは、低い音を中心に温かいサウンドでした。「Cherokee」や「Strike Up The Band」などアップテンポの曲ではリズムに乗って歯切れがよく、ソロでも次々にフレーズが出ていました。「In A Sentimental Mood」などバラードでは、息を漏らすなど情緒纏綿。どの曲も、最初にテーマ(本来のメロディ)をバシッと呈示してくれるところがよく、そこですぐに曲に引き込まれました。
森田潔(p)は、ピアノの音がきれいで、伴奏の名手としても知られており、こういったセッションにピッタリでした。ソロはシングルライン中心ですが、後半にはさりげなく厚い和音も入れていました。「You and The Night and The Music」でフューチャー。
ブルース・ハマダ(b、vo)の歌と演奏からは、エンターテイメントという言葉が連想されました。高級ホテルのクラブに出演するのが似合いそうな歌いぶりで、「I've Got The World on a String」や「Time After Time」といったフランク・シナトラの曲がよかった。
アキラ・タナ(ds)のプレイが素晴らしくて驚きました。ドラムスのサウンドがうるさくなく、しかも音楽的でした。早いものではスピード感たっぷりて、ブラシは繊細で、なんというか全てなめらかなのです。こういうバックならフロントの演奏もすこぶるよく聴こえます。
スコット・ハミルトン(ts)
ブルース・ハマダ(b,vo)。歌っているところです。
キヨシ・モリタ(p)
アキラ・タナ(ds)
前のめりの演奏姿がかっこいいハミルトン。
演奏終了時(アンコール前)に4人が勢ぞろいしました。スーツに蝶ネクタイというステージ衣装も、好感が持てます。