安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

キャノンボール・アダレイ MERCY, MERCY, MERCY!

2017-10-08 09:25:03 | アルト・サックス

10月に入り朝晩冷え込むようになりました。10月はハロウィーンの月ですが、事業所が入居しているビルの1階にはハロウィーンの飾り付けがされています。それだけでも愉快ですが、巨大かぼちゃも展示されていて、秋の収穫に感謝する気持ちを表しているに違いありません。かぼちゃをみていたら、大きな体つきのキャノンボールの音楽を聴きたくなりました。

CANNONBALL ADDERLEY (キャノンボール・アダレイ)
MERCY, MERCY, MERCY! LIVE AT "THE CLUB" (Capitol 1966年録音)

   

ファンキー、ソウル系ジャズを代表する大ヒットアルバムです。もっともジャズ喫茶でかかっていた記憶はないので、キャッチャーで調子もいいことから、昔からのハードバップファンには敬遠されたのかもしれません。表題曲は、ジョー・ザヴィヌルの作曲ですが、このあたりがわかりやすくてよく、後年のザヴィヌルシンジケートの音楽は、僕には親しみがわきませんでした。

メンバーは、キャノンボール・アダレイ(as)、ナット・アダレイ(cor)、ジョー・ザヴィヌル(p, el-p)、ヴィクター・ガスキン(b)、ロイ・マッカーディ(ds)。ロサンジェルスのキャピトルスタジオにおけるライブ録音です。アダレイ兄弟のコンボは、1959年ころから本格的に活動し、キャノンボールが亡くなる1975年まで16年間も続いた人気コンボでしたが、まず脚光を浴びたのは本アルバムの成功によってでしょう。

曲は、ナット・アダレイ作「Fun」と「Games」、ジョー・ザヴィヌル作「Mercy, Mercy, Mercy」と「Hippodelphia」、キャノンボール・アダレイ作「Sticks」と「Sack O' Woe」の6曲。すべてメンバーの作品です。ザヴィヌルは、ウィーン出身にもかかわらず、「Mercy, Mercy, Mercy」というソウルフルな曲を書いており、才能の賜物とはいえ驚きます。キャノンボールの「Sack O' Woe」も定番曲になりました。

懐かしいアルバムで、レコードで聴いていた当時は演奏に痺れまくっていました。「Mercy, Mercy, Mercy」は、キャッチャーなメロディで大衆受けしたものですが、こういったグルーヴィーさはジャズの醍醐味の一つです。ジョー・ザヴィヌル(el-p)のソロが雰囲気を盛り上げています。最初の「Fun」は、ハードバップ色が濃厚、「Games」はジャズロック、そして「Sack O' Woe」と、ハードバップベースにファンキーで力強い演奏を繰り広げてくれます。キャノンボール(as)のサウンドは、大きな音でも木管らしくて、金属的な音がしません。こういうサウンドは好みです。

【ハロウィーンの飾り付けと巨大かぼちゃ】