安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ビル・エヴァンス「CONSECRATION」、柚木麻子著「私にふさわしいホテル」(新潮文庫)。

2025-01-12 19:30:00 | ピアノ・トリオ

のん主演の映画「私にふさわしいホテル」が面白かったので、原作の柚木麻子著の小説を読みました。小説の方も、ストーリー展開が早いのに加え、山の上ホテルの描写などが詳しく、良く出来ていました。良く出来たレコードを。

BILL EVANS (ビル・エヴァンス)
CONSECRATION -THE LAST (Alfa 1980年8月31日~9月7日)

   

ビル・エヴァンス(p, 1929年~1980年)が、1980年8月31日から9月8日にかけてサンフランシスコの「キーストンコーナー」に出演した際の録音は、現在、CD8枚で入手できます。1989年に、そのテープの存在を知らしめて、初めてリリースしたのは、日本のアルファレコードで、このレコード2枚組でした。

メンバーは、ビル・エヴァンス(p)、マーク・ジョンソン(b)、ジョー・ラバーベラ(ds)。このレコードは、キーストンコーナーのオーナー、トッド・バルカンさんが録音、保存していたテープを、アルファレコードの木全信さんが権利関係をクリアにして発売にこぎつけたもの。

(英文表記)Bill Evans(p)、Marc Johnson(b)、Joe La Barbera(ds)。

曲目は次のとおり。

(Disc 1)

1  You and The Night and The Music (Arthur Schwartz)
2  Emily (Johnny Mandel)
3  The Two Lonely People (Bill Evans)
4  I Do It For Your Love (Paul Simon)
5  Re:Person I Knew (Bill Evans)
6  Polka Dots and Moonbeams (Jimmy Van Heusen)
7  Knit for Mary F (Bill Evans)
8  Someday My Prince Will Come (Frank Churchill)

(Disc 2)

1  Tiffany (Bill Evans)
2  My Foolish Heart (Victor Young)
3  Days of Wine and Roses (Henry Mancini)
4  Your Story (Bill Evans)
5  Turn Out The Stars (Bill Evans)
6  Like Someone in Love (Jimmy Van Heusen)
7  My Romance (Richard Rodgers)
スタンダード曲と、ビル・エヴァンスのオリジナルです。ずっと演奏され続けている曲が多いですが、3曲の新たに収録され、初めて聴ける曲があったのも貴重です。

レコード2枚組の長さが適当で、ジャケットにも親しみを感じているアルバムです。ビル・エヴァンスは、1980年9月15日に亡くなっているので、その1~2週間前の録音ですが、身体は弱っているはずなのに、凄まじいプレイを繰り広げています。発売当時、それまでどのアルバムにも収録されていなかった「Knit for Mary F」、「Tiffany」と「Your Story」が聴けたのが貴重でした。従来の演奏とイメージが異なる「Someday My Prince Will  Come」と「My Romace」のハードさには、今回も息を呑みました。

ジャケット内側にあるエヴァンスの写真。  

(参考)本作から「Someday My Prince Will Come」が聴けます。

Someday My Prince Will Come - YouTube

(参考)【文藝別冊 ビル・エヴァンス〈増補決定版〉】(KAWADEムック)のディスコグラフィー

   

エヴァンス没後40年(2020年)に発行されたもの。表紙です。

   

最終ページから始まる杉田宏樹編のディスコグラフィーが簡便で便利です。もっとも、当然ですが、2021年以降に出された発掘盤は掲載されていません。

   

本文には、植草甚一さんのエッセイも収録されていて、懐かしさを覚えます。

(安曇野市宅で聴いているところ)

飾ってあるのは、ビル・エヴァンスのリーダー作で、没後にリリースされたレコード。右から「Consecration Ⅱ」(アルファ)、本作「Consecration」、「Tales - Live in Copenhagen(1964年録音)」(ELEMENTAL MUSIC)。近年の発掘盤の多さには、僕はついていけなくて、たまに購入するくらいになっています。

 

【柚木麻子著「私にふさわしいホテル」(新潮文庫)】

   

このカバーは、映画化されるので、新たに上からかけられてものです。

   

こちらが、元々のカバーです。

(あらすじ)

   

(目 次)   

(映画との相違など)

映画と小説の一番の違いは、映画では橋本愛が演じていて、女性の書店員が登場しますが、原作では男性の書店員になっているところでしょうか。その他、同僚とも言う女性作家が二人小説には登場します。映画の脚本は、基本的に小説をベースにしています。小説もテンポ良く、楽しく読めました。

(著者略歴)