GWで少し余裕があるので久しぶりに水曜日に記事を書いてみました。お休みの間に出勤があったので、長野市と安曇野市を何回か往復しています。車での移動ですが、だいたい一往復にCDを3枚くらい持ち込んでBGMとして聴いています。春の浮き浮き気分で、ビートルズナンバーが収録されているグラント・グリーンのアルバムを聴きました。
GRANT GREEN (グラント・グリーン)
I WANT TO HOLD YOUR HAND (Blue Note 1965年録音)
グラント・グリーン(g)のこの作品は日本のジャズ・ジャーナリズムの話題にも上らず、長らく僕は買う気になりませんでした。しかし、聴いてみると、ポップな線を狙ってもいるのでしょうが、そこはさすがにメンバーの故か、ジャズとして聴きどころをもった作品でした。ハードさはあまり感じられず、ブルージーさも抑えられているのですが、その代わり軽快でわかりやすい面が出ています。選曲もよくて、ドライブのお伴にもいけます。
メンバーは、ハンク・モブレー(ts)、グラント・グリーン(g)、ラリー・ヤング(org)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。オルガンが入っているので、ベース奏者がいないのがちょっと残念ではあります。エルヴィン・ジョーンズがこういうポピュラーな曲の録音に参加しているのが意外でしたが、さすがによくスイングしています。
曲は、ビートルズが1963年11月に発表して翌64年に全米でも大ヒットしたナンバー「I Want to Hold Your Hand」(抱きしめたい)をタイトル曲として、他に、スタンダードの「Speak Low」、「Stella By Starlight」、「Corcovado」、「This Could Be The Start of The Something」、 「At Long Last Love」の6曲。
「I Want to Hold Your Hand」に注目が集まります。グリーンは丁寧にメロディを弾いていて原曲がわかりますが、ハンク・モブレーが豪快に哀愁フレーズを繰り出すところがジャズファン向けではないでしょうか。続く「Speak Low」は、各人ともなかなかの熱演で、エルヴィン(ds)もここぞとばかりソロをとっています。ボサノヴァの「Corcovado」ではソフトなグリーン、ヤングのプレイが冴え、調子のいい曲想で大好きなスティーヴ・アレン作「This Could Be The Start of The Something 」におけるグリーンの長尺ソロがかっこよく、肩の凝らない一枚としてこのごろ出番が増えているCDです。
【夢みるビートルズ】
当時のビートルズの人気の高さを物語るシングル(EP)盤が手元にあったので掲載します。
東芝 CR-1124 (1964年8月発売)